条文・判例・学説を体系的に整理
口頭弁論の指揮
口頭弁論は、裁判長が指揮する。
口頭弁論の制限
裁判所は、口頭弁論の制限を命ずることができ、訴訟要件についての争点に審理を集中するために、口頭弁論を制限することができる。
口頭弁論の併合と当事者意見聴取の要否
裁判所は、口頭弁論の併合を命ずるに当たって、当事者の意見を聴く必要はない。
不明瞭な攻防方法の釈明懈怠と却下
攻撃又は防御の方法でその趣旨が明瞭でないものについて当事者が必要な釈明をせず、又は釈明をすべき期日に出頭しないときは、裁判所は却下の決定をすることができ、訴訟の完結を遅延させることとなると認めたことは要件とされない。
口頭弁論の再開申請と裁判の要否
終結した口頭弁論の再開は裁判所の裁量であり、当事者に再開を請求する権利はなく、裁判所は再開申請について裁判をすることを要しない。
昭和56年9月24日最高裁民集35巻6号(土地所有権移転登記等抹消登記手続請求事件)
理由付け事実を欠く訴状と擬制自白
請求を特定するのに必要な事実の記載はあるが請求を理由付ける事実の記載を欠く訴状については、被告が答弁書を提出せず口頭弁論期日に出頭しなくても、擬制自白の対象となる事実の主張がないから、裁判所は直ちに請求認容判決をすることはできない。
関連性を欠く反訴と原告の応訴
被告の反訴が本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的とするものでない場合であっても、原告(反訴被告)が異議を述べずに反訴について本案の弁論をして応訴したときは、反訴は適法に係属する。
昭和41年11月10日最高裁第一小法廷民集20巻9号1733頁(国家賠償請求)
併合要件を欠く反訴の取扱い
反訴が併合要件を欠く場合には、その要件は反訴提起の訴訟要件であるから、独立の訴えとしての要件を備えていても、反訴は不適法として終局判決で却下される。
昭和41年11月10日最高裁第一小法廷民集20巻9号1733頁(国家賠償請求)
双方未主張の法律構成の判断と釈明義務
控訴審が、当事者双方が主張していない法律構成である信義則違反の点について原告に主張するか否かを明らかにするよう促すとともに被告に十分な反論及び反証の機会を与える措置をとることなく判断することは、従前の訴訟の経過からその法律構成が予測困難な場合には、釈明権の行使を怠った違法がある。
平成22年10月14日最高裁第一小法廷集民235号1頁(雇用関係存在確認等請求事件)
別個の法律構成の示唆と釈明権の範囲
請求原因として主張された事実関係とこれに基づく法律構成が正当ではあるが、認定される事実関係との間にくいちがいがあって請求を認容できない場合において、別個の法律構成に基づく事実関係が主張されれば請求を認容でき、紛争の根本的解決が期待できるのに、原告が明らかに誤解又は不注意により主張しないと認められるときは、裁判所は、釈明の内容が別個の請求原因にわたる結果となる場合でも、釈明権の行使として具体的な法律構成を示唆することが許される。
昭和45年6月11日最高裁第一小法廷民集24巻6号516頁(売掛代金請求事件)
釈明権の口頭弁論期日内外の行使
釈明権の行使は、口頭弁論の期日又は期日外においてすることができる。
陪席裁判官の釈明権の行使
陪席裁判官は、裁判長に告げて、釈明のための処置をすることができる。
相手方への直接の釈明権行使の可否
当事者は、裁判長に対して必要な発問を求めることができるが(求問権)、相手方に対し直接釈明権を行使することはできない。
本訴取下げ後の反訴取下げと同意の要否
本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げには相手方の同意を要しないが、本訴が取り下げられても、反訴が取り下げられたものとはみなされない。
本案口頭弁論後の訴訟要件の主張
本案について口頭弁論をした後でも、訴訟要件を欠く旨の主張が一般にできなくなるわけではないが、管轄違いの抗弁(民事訴訟法12条)や仲裁合意の抗弁(仲裁法14条1項ただし書3号)は、本案の弁論後は主張できなくなる。
被保佐人の応訴と訴訟上の和解の授権
被保佐人が相手方の提起した訴えについて訴訟上の和解をするには、保佐人による特別の授権が必要である。
代表権消滅の公知性と訴訟手続中断
訴訟代理人のない法人が追行する訴訟の係属中にその代表者の代表権が消滅した場合において、代表権の消滅が公知の事実であるときは、相手方への通知がなくても、代表権の消滅の時点で訴訟手続は中断する。
平成19年3月27日最高裁第三小法廷民集61巻2号711頁(土地建物明渡請求事件)
補助参加人不出頭期日の被参加人の和解
補助参加に係る訴訟では、被参加人は、補助参加人が出頭しない期日であっても、相手方との間で訴訟上の和解を成立させることができる。
和解の代理権限と抵当権設定権限
貸金請求事件において訴訟上の和解の権限を授与された訴訟代理人は、貸金債務の弁済期日を延期し分割払いとする代わりにその担保として被告所有の不動産に原告のために抵当権を設定するという和解条項の下では、その抵当権設定契約をする権限を有する。
昭和38年2月21日最高裁第一小法廷民集17巻1号182頁(和解契約無効確認等請求)
準備書面の提出と判決の基礎
当事者が準備書面に記載した事項は、その準備書面が裁判所に提出されただけでは、判決の基礎とすることはできず、口頭弁論で陳述されることを要する(ただし最初にすべき口頭弁論期日の欠席の場合は陳述が擬制される)。