条文・判例・学説を体系的に整理
選定当事者の共同の利益を有する多数者
選定者と選定当事者は、ともに「共同の利益を有する多数の者」に属する必要があり、訴訟の目的である権利が同一の事実上及び法律上の原因に基づき、かつ、主要な攻撃防御方法を共通にするときは、これに当たる。
選定当事者の和解権限の選定行為の制限
選定当事者は、選定者から特別の委任を受けなくても訴訟上の和解をすることができ、その権限は選定行為においても制限することができない(和解を禁ずる制限を付しても、制限部分は無効で無制限の選定としての効力を生ずる)。
昭和43年8月27日最高裁第三小法廷集民92号79頁(所有権移転登記手続請求)
選定取消しの効力発生と相手方への通知
選定者が選定当事者の選定を取り消した場合、その取消しの効力は、相手方に通知しなければ生じない。
選定当事者の全員死亡と訴訟手続中断
選定当事者の全員が死亡その他の事由により資格を喪失したときは、訴訟代理人がない限り、訴訟手続は中断し、選定者の全員又は新たな選定当事者が受継する。
選定者に係る請求の追加
係属中の訴訟の被告と共同の利益を有する者であって当事者でないものが、当該被告を自己のためにも被告となるべき者として選定した場合、原告は口頭弁論の終結に至るまでその選定者に係る請求の追加をすることができる。
選定当事者の一部死亡
複数の選定当事者が選定されている場合において、その一部が訴訟係属中に死亡したときは、他の選定当事者がその資格を失うことはない。
選定当事者の共同の利益を有する多数者
訴訟の目的である権利が同一の事実上及び法律上の原因に基づき、かつ、主要な攻撃防御方法が共通である複数の者は、民訴法30条1項の共同の利益を有する多数の者に当たる。
昭和33年4月17日最高裁第一小法廷民集12巻6号873頁(保証債務履行請求)
選定当事者の訴訟行為の権限
選定当事者は、選定者のために訴えの取下げ、和解並びに請求の放棄及び認諾をすることができ、特別の授権を要しない。
昭和43年8月27日最高裁第三小法廷集民92号79頁(所有権移転登記手続請求)
選定者の当然脱退
訴訟係属後に選定当事者が選定された場合には、選定者は、脱退のための行為をしなくとも、当該訴訟から当然に脱退する。
選定当事者の選定取消しの通知
選定当事者の選定の取消し及び変更は、選定者又は選定当事者から相手方に通知しなければ、その効力を生じない。
選定当事者と共同訴訟関係
係属中の訴訟の原告と共同の利益を有する者がその原告を自己のためにも原告となるべき者として選定するためには、自ら訴えを提起して係属中の訴訟との併合を求め、共同訴訟関係を成立させる必要はなく、係属中の訴訟においてそのまま選定することができる。
法人でない社団の総有確認訴訟
ある土地が法人でない社団の構成員全員の総有に属することの確認を求める訴えにつき、当該団体が原告となることができる。
平成6年5月31日最高裁第三小法廷民集48巻4号1065頁(所有権確認等)
選定当事者と他の原告の脱退
訴訟の係属の後、共同の利益を有する多数の原告の中から、全員のために原告となるべき者が選定されたときは、他の原告は、当然に訴訟から脱退する。
選定当事者の選定の撤回
選定者は、いつでも選定を撤回することができる。
選定者のための請求の追加
第三者が係属中の訴訟の原告を自己のためにも原告となるべき者として選定した場合には、選定当事者は、その選定者のために請求の追加をすることができる。
選定の書面による証明
選定当事者の選定は、書面又は電磁的記録により証明しなければならない。
訴訟係属中の権利譲渡と当事者適格
訴訟係属中に訴訟物である権利を譲渡した場合でも、譲渡人は当事者適格を失わない。
債権者代位訴訟と被代位権利の時効猶予
債権者代位訴訟の提起は、被代位権利についての裁判上の請求に当たり、被代位権利について時効の完成猶予の効力を生ずる。
債権者代位訴訟係属中の債務者の別訴
債権者代位訴訟の係属中に、債務者が第三債務者を被告として同一の被代位権利の履行を求める別訴を提起することは、重複する訴えの提起の禁止(民事訴訟法142条)に触れ、その別訴は不適法として却下される。
昭和48年4月24日最高裁第三小法廷民集27巻3号596頁(建物明渡等請求)
選定当事者全員死亡の手続中断と受継
選定当事者による訴訟で選定当事者の全員が死亡した場合、訴訟代理人がなければ訴訟手続が中断し、選定者の全員又は新たな選定当事者が受け継ぐのであり、直ちに訴えを却下すべき場合には当たらない。