条文・判例・学説を体系的に整理
発起設立の払込期日・期間の要否
発起設立では、発起人は設立時発行株式の引受け後遅滞なく出資に係る金銭の全額を払い込めばよく、出資の払込期日又は払込期間を定める必要はない。
会社成立前の発行可能総数の定款の定め
発起人は、発行可能株式総数を定款で定めていない場合、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって定款を変更して、発行可能株式総数の定めを設けなければならず、発行可能株式総数を定款で定めた状態で株式会社が成立しなければならない。
設立時取締役の出資履行完了の調査
設立時取締役は、その選任後遅滞なく、出資の履行が完了していること等を調査しなければならない。
払込仮装の発起人責任と無過失の免責
発起人が引き受けた設立時発行株式の出資に係る金銭の払込みを仮装した場合、その仮装に関与した発起人(仮装した者を除く)は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、仮装した出資に係る金銭の支払義務を負わない。
認証済み定款の会社成立前の変更制限
公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、33条7項・9項(検査役の報告に基づく変態設立事項の変更決定と、変更された事項の定めを廃止する定款の変更)又は37条1項・2項(発行可能株式総数の定めの設定・変更)による場合を除き変更することができず、発起人の全員の同意によっても、本店の所在地を変更する定款の変更をすることはできない。
発起設立の成立後の株式引受取消制限
発起人は、株式会社の成立後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。
現物出資財産の著しい価額不足と責任
現物出資財産を給付した発起人は、株式会社の成立の時における当該現物出資財産の価額が定款に記載された価額に著しく不足する場合には、検査役の調査を経たときであっても、当該株式会社に対し、不足額を支払う義務を負う。
会社不成立の場合の発起人の責任
株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。
発起人による設立時発行株式の引受け
各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならず、設立時取締役になるか否かにかかわらない。
発起人の報酬の変態設立事項性
株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称は、定款に記載し又は記録しなければ、その効力を生じない。
設立時代表取締役の選定
設立予定会社が取締役会設置会社であって指名委員会等設置会社でない場合、設立時取締役はその過半数により設立時代表取締役を選定し、監査等委員会設置会社では監査等委員でない設立時取締役から選ぶ。
払込仮装の設立時株式譲受人の権利行使
発起人が払込みを仮装した設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、悪意又は重大な過失があるときを除き、設立時株主及び株主の権利を行使することができる。
創立総会の招集(募集設立のみ)
発起人は、設立時募集株式の引受人の募集をする場合(募集設立)に、払込期日又は期間の末日のうち最も遅い日以後遅滞なく創立総会を招集しなければならないが、発起設立では創立総会を招集する必要はない。
発起人の人数
株式会社の設立に際し、発起人は1人でもよく、定款の作成時に発起人が2人以上いなければならないわけではない。
資本金・資本準備金額の定款記載
成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額は、定款の記載又は記録事項ではなく、発起人が定款に記載又は記録しなければならないわけではない。
暗号資産の現物出資と定款記載
発起人が設立時発行株式について金銭以外の財産(暗号資産を含む)を出資する場合には、その者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びに割り当てる設立時発行株式の数を、定款に記載又は記録しなければ効力を生じない。
非公開会社の発行可能株式総数
会社法上の公開会社でない株式会社を設立する場合、発行可能株式総数は設立時発行株式の総数の4倍を超えてもよい。
株主となる権利の譲受人の取扱い
設立時発行株式の引受人が有する株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができないにとどまり、成立後の株式会社が譲受人を株主として取り扱うことが禁じられるわけではない。
定款作成と出資履行の順序
発起設立においては、定款の作成及び認証は発起人による出資の履行に先立って行われる。
発起人交代と定款再認証
公証人による定款の認証を受けた後に発起人を交代させる場合には、再度定款を作成し公証人の認証を受けなければならない。