条文・判例・学説を体系的に整理
権利能力なき社団代表者の総有確認授権
法人でない社団の代表者が、構成員全員の総有に属する不動産の総有確認訴訟を追行するためには、当該不動産を処分するのに必要とされる総会の議決等による授権が必要である。
平成6年5月31日最高裁第三小法廷民集48巻4号1065頁(所有権確認等)
利益相反弁護士の訴訟行為排除への抗告
弁護士法25条1号に違反することを理由として訴訟行為を排除する旨の決定に対しては、自らの訴訟代理人の訴訟行為を排除するものとされた当事者は、民訴法25条5項の類推適用により、即時抗告をすることができる。
平成29年10月5日最高裁第一小法廷民集71巻8号1441頁(訴訟代理人の訴訟行為排除決定に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件)
権利能力なき社団の当事者能力と基本財産
民事訴訟法29条の「法人でない社団」として当事者能力が認められるためには、団体としての組織を備え、多数決の原則が行われ、構成員の変更にかかわらず団体が存続し、代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定していることが必要であるが、固定資産ないし基本的財産を有していることは必須の要件ではない。
平成14年6月7日最高裁第二小法廷民集56巻5号899頁(書類等閲覧等請求事件)
訴訟代理人の移送申立てと特別委任
訴訟代理人は、委任を受けた事件について移送の申立てをするときは、特別の委任を要しない。
必要的共同訴訟人の欠落と上告審の処理
社団の構成員全員の総有に属することの確認を求める訴えは固有必要的共同訴訟であり、構成員の一部が原告となっていないときは、当事者適格を欠く不適法な訴えであるから、上告裁判所は、原判決を破棄し、第一審判決を取り消して、訴えを却下することができる。
昭和41年11月25日最高裁第二小法廷民集20巻9号1921頁(所有権移転登記手続請求)
法人の合併による消滅と訴訟代理権
訴訟係属後に当事者である法人が合併により消滅しても、その法人から委任を受けた訴訟代理人の訴訟代理権は、消滅しない。
補助参加人による再審の訴えの提起
補助参加人は、補助参加の時における訴訟の程度に従いすることができない訴訟行為を除き、攻撃防御方法の提出、異議の申立て、上訴の提起、再審の訴えの提起その他一切の訴訟行為をすることができるから、再審の訴えを提起することができる。
被参加人欠席期日の補助参加人の訴訟行為
補助参加人は、被参加人が口頭弁論の期日に欠席した場合においても、当該期日において、訴訟行為をすることができる。
訴訟能力欠缺者の訴訟委任の可否
訴訟能力を欠く者は、訴訟委任をすることができない。
訴訟告知を受けた者の更なる訴訟告知
訴訟の係属中、適法に訴訟告知を受けた者は、当該訴訟に参加することができる第三者に対し、更に訴訟告知をすることができる。
訴訟能力欠缺者の訴訟行為の取消し不可
訴訟能力を欠く者の法定代理人は、本人がした訴訟行為を取り消すことができない。
社団の前訴の既判力と全構成員の後訴
法人でない社団を原告とする総有確認訴訟で請求棄却の判決が確定した場合、社団の構成員全員が原告となって同一の総有確認を求める後訴において、前訴の基準時前の事由を理由に請求を認容することは、前訴の確定判決の既判力に抵触する。
平成6年5月31日最高裁第三小法廷民集48巻4号1065頁(所有権確認等)
法人でない社団の当事者能力
法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において訴え、又は訴えられることができる。
追認の対象となる訴訟行為
訴訟が第一審裁判所に係属中に訴訟能力を欠く者が訴訟行為をしたことが明らかになったときは、法定代理人による追認は、それまでに行われた全ての訴訟行為に対し行わなければならない。
昭和55年9月26日最高裁第二小法廷集民130号393頁(所有権移転登記手続再審)
預託金会員制ゴルフクラブの当事者能力
預託金会員制のゴルフ場の会員によって組織され、会員相互の親睦等を目的とする団体は、財産的側面につき、団体として内部的に運営され対外的にも活動するのに必要な収入を得る仕組みが確保され、かつ、その収支を管理する体制が備わっている場合には、固定資産ないし基本的財産がなくても、当事者能力を有する。
平成14年6月7日最高裁第二小法廷民集56巻5号899頁(書類等閲覧等請求事件)
独立当事者参加と控訴
当事者が自ら控訴をしない場合であっても、第三者は独立当事者参加の申出と共に控訴をすることができる。
義務承継人の訴訟引受けと当事者申立て
義務承継人の訴訟引受けは、当事者の申立てにより、決定でさせるものであり、裁判所が職権で第三者に訴訟を引き受けさせることはできない。
訴訟能力欠缺の却下判決への上訴
当事者が訴訟能力を欠くことを理由として訴えを却下した判決に対しては、当該当事者は上訴をすることができる。
地域の住民団体(区)の当事者能力
普通地方公共団体の区域に属する特定地域の住民により、その福祉のため各般の事業を営むことを目的として結成された任意団体で、役員の選出、多数決の原則による運営、財産の管理、事業の内容等につき規約を有し、これに基づいて存続・活動しているものは、当事者能力を有する。
昭和39年10月15日最高裁第一小法廷民集18巻8号1671頁(建物収去土地明渡請求)
訴訟脱退と判決効
訴訟引受けがされ、承継前の当事者が相手方の承諾を得て訴訟から脱退した場合、確定判決の効力は脱退した当事者に及ぶ。