条文・判例・学説を体系的に整理
監査役選任議案の提出と監査機関の同意
取締役が監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査役会設置会社においては監査役会の同意を、監査等委員である取締役の選任に関する議案を提出するには、監査等委員会設置会社においては監査等委員会の同意を得なければならない。
監査役・監査等委員の取締役への報告請求
監査範囲を会計に限定されていない監査役は、いつでも取締役に対して事業の報告を求めることができ、監査等委員会が選定する監査等委員は、いつでも、取締役に対してその職務の執行に関する事項の報告を求めることができる。
会計監査人の報酬決定の監査機関の同意
取締役は、会計監査人の報酬を定める場合には、監査役会設置会社においては監査役会の同意を、監査等委員会設置会社においては監査等委員会の同意を得なければならない。
取締役責任追及の和解と監査機関の同意
株式会社が取締役(監査等委員を除く)の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解をするには、監査役設置会社においては各監査役の同意を、監査等委員会設置会社においては各監査等委員の同意を得なければならない。
成年被後見人の監査役への就任
成年被後見人も監査役となることができ、成年被後見人が監査役に就任するには、その成年後見人が成年被後見人の同意を得て、後見監督人がある場合はその同意も得た上で、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければならない。
監査役の兼任禁止と親会社の取締役
監査役は、株式会社又はその子会社の取締役、支配人その他の使用人若しくは子会社の会計参与・執行役を兼ねることができないが、親会社の取締役を兼ねることは禁止されていない。
非公開会社の監査役の任期伸長
公開会社でない株式会社は、定款によって、監査役の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することができる。
監査役による会計監査人の解任
監査役は、会計監査人が職務上の義務に違反し又は職務を怠ったときなどには会計監査人を解任することができ、監査役が二人以上ある場合には、監査役の全員の同意によって行わなければならない。
監査役の競業取引と取締役会承認
取締役会設置会社の取締役が自己又は第三者のために事業の部類に属する取引をしようとするときは取締役会の承認を要する(356条1項1号・365条1項)が、監査役にはこの競業避止義務の規定は適用されない。
会計監査人の会計帳簿閲覧権
会計監査人は、いつでも、会計帳簿の閲覧及び謄写をし、又は取締役に対し、会計に関する報告を求める権限がある。
会計監査人の子会社調査権
会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、その子会社の業務及び財産の状況の調査をする権限を有する。
会計監査人の違法行為発見時の報告義務
会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し法令に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監査役(監査役会設置会社にあっては監査役会)に報告する義務があり、取締役会に報告する義務を定めた規定はない。
監査役の会計監査人に対する報告請求権
監査役会を構成する監査役は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。
監査等委員会の報酬意見陳述権
監査等委員会設置会社において、監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の報酬について監査等委員会の意見を述べることができる。
監査役の監査報告作成義務
監査役会設置会社においても、各監査役は、監査報告を作成しなければならない。
監査役報酬の配分方法
監査役会設置会社において、監査役の報酬について、株主総会の決議によって監査役の全員の報酬の総額のみを定めたときは、各監査役の個人別の報酬の額は、当該総額の範囲内において、監査役の協議によって定めなければならない。
監査役会の招集権
監査役会設置会社において、各監査役は監査役会を招集することができ、招集権者を特定の監査役に限定する旨の定款の定めは認められない。
監査等委員会設置会社の重要業務委任
監査等委員会設置会社は、取締役会の決議によって重要な財産の処分及び譲受けの決定を取締役に委任することができる旨を定款で定めることができる。
監査役設置会社と取締役の責任追及訴訟
監査役設置会社が取締役であった者に対して責任追及の訴えを提起する場合には、監査役が会社を代表する。
監査役の解任
監査役は、正当な理由がなくとも、株主総会の特別決議によって解任することができる。