条文・判例・学説を体系的に整理
配当と残余財産分配の両権利なき株式
株主に剰余金の配当を受ける権利及び残余財産の分配を受ける権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しないから、いずれの権利も有しないことを内容とする種類の株式を発行することはできない。
株主名簿管理人を置く旨の定款の定め
株式会社は、株主名簿管理人を置く旨を定款で定め、株主名簿に関する事務を行うことを委託することができるが、株主名簿管理人の氏名又は名称までを定款で定めることを要しない。
一部種類株式のみの株券発行の定款規定
株式会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨を定款で定めることができるが、一部の種類の株式についてのみ株券を発行する旨を定めることはできない。
拒否権付種類株式と種類株主総会決議
株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの(拒否権付種類株式)を発行することができる。
種類株式の取得条項追加と全員同意
種類株式発行会社が、ある種類の株式の発行後に定款を変更して、当該種類の株式の内容として取得条項を設ける場合には、当該種類の株式を有する株主全員の同意を得なければならない。
株券交付原則と自己株式処分・発行前譲渡
株券発行会社の株式譲渡は自己株式の処分を除き株券交付を要し、株券発行前の譲渡は会社に対して効力を生じないが、会社が発行を不当に遅滞する場合には意思表示のみによる譲渡も会社に対して効力を有する。
昭和47年11月8日最高裁大法廷民集26巻9号1489頁(株主総会決議無効確認等請求)
公開株券発行会社の自己株式処分と株券
株券発行会社は、自己株式を処分した日以後遅滞なく、当該自己株式を取得した者に対し、株券を交付しなければならない(公開会社でない株券発行会社は、取得者から請求がある時まで交付しないことができる)。
子会社の事業全部譲受けと親会社株取得
子会社は親会社株式を取得してはならないが、他の会社の事業の全部を譲り受ける場合において、当該他の会社の有する親会社株式を譲り受けるときは、例外的に取得することができる。
会社成立後の定款変更と公証人認証
株式会社の成立後に定款を変更する場合には、株主総会の決議によってすれば足り(会社法466条)、公証人の認証は要しない。
譲渡制限株式取得者の譲渡等承認請求
譲渡制限株式を取得した株式取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限株式を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる(譲渡等承認請求)。
会社の譲渡制限株式買取りの決定機関
譲渡等承認請求に対し承認をしない旨の決定をした株式会社が、対象株式を買い取る旨の決定をするには、株主総会の決議によらなければならない(取締役会設置会社であっても同様)。
発行可能株式総数の定めの廃止の禁止
株式会社は、定款を変更して発行可能株式総数についての定めを廃止することができない。
発行可能株式総数の減少の限度
定款を変更して発行可能株式総数を減少するときは、変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数を下ることができない。
公開会社の発行可能株式総数の増加限度
公開会社が定款を変更して発行可能株式総数を増加する場合には、変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。
単元株式数の登記
株式会社において単元株式数についての定款の定めがある場合の単元株式数は、登記事項である。
株式併合の総会決定事項と基準日
株式会社が株式の併合をしようとするときは、株主総会の決議によって、併合の割合、効力発生日、種類株式発行会社である場合の併合する株式の種類、効力発生日における発行可能株式総数を定めなければならないが、併合の基準日を定めることは要求されていない。
株式併合による発行可能総数変更みなし
株式の併合をした株式会社は、効力発生日に、総会で決議された効力発生日における発行可能株式総数についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなされる。
株式の併合における株式買取請求の撤回
株式の併合に係る株式買取請求をした株主は、株式会社の承諾を得た場合に限りその株式買取請求を撤回することができ、株式の価格の決定について協議が調った後もこれと同じであるが、効力発生日から30日以内に価格の決定について協議が調わない場合において、効力発生日から60日以内に価格決定の申立てがないときは、その期間の満了後は、いつでも撤回することができる。
単元未満株式に係る株券の不発行
株券発行会社は、単元未満株式に係る株券を発行しないことができる旨を定款で定めることができる。
株式の併合をした場合の株券の発行
株券発行会社は、株式の併合をしたときは、効力発生日以後遅滞なく、併合した株式に係る株券を発行しなければならない(公開会社でない株券発行会社は、株主から請求がある時まで発行しないことができる)。