条文・判例・学説を体系的に整理
金銭債権と不可分債権
不可分債権は債権の目的がその性質上不可分である場合に限られるから、金銭債権を当事者の意思表示によって不可分債権とすることはできず、性質上可分な債権について当事者の意思表示によって数人が連帯して債権を有するときは連帯債権となる。
不可分債権者の一人による免除
不可分債権者の一人が債務を免除した場合であっても、他の不可分債権者は債務の全部の履行を請求することができる。
不可分債権者の一人と債務者との間の混同
不可分債権者の一人が債務者を単独で相続した場合でも、他の不可分債権者の債権は混同によって消滅せず、他の債権者は、その者に対して給付を請求することができる。
連帯債権者の履行請求と時効完成猶予
連帯債権者の一人が債務者に履行の催告をしたときは、他の連帯債権者の債権についても、その時から6か月を経過するまでの間、時効の完成が猶予される。
連帯債権者の全額請求と同意
連帯債権者の一人は、債務者に対して連帯債権の全額の請求をするに当たり、他の連帯債権者の同意を得ることを要しない。
連帯債権の一人の免除
連帯債権者の一人が債務者に対して債権の全部を免除した場合であっても、他の連帯債権者は、債務者に対して、その免除をした連帯債権者がその権利を失わなければ分与されるべき利益に係る部分を除いた部分について、履行の請求をすることができる(民法433条)。
連帯債権の債務者による相殺
連帯債権者の一人に対して債務者が反対債権を有する場合において、債務者がその連帯債権者に対して相殺を援用したときは、その債権は全ての連帯債権者の利益のためにも消滅し、相殺額の全額について効力を生ずる(民法434条)。
連帯債権者の相続と混同
連帯債権者の一人が債務者を単独で相続したときは、連帯債権につき混同が生じ、債務者は弁済をしたものとみなされる(民法435条)。
連帯債権の一人の時効消滅
連帯債権者の一人の債務者に対する権利が時効により消滅したが、他の連帯債権者の権利については消滅時効が完成していない場合、他の連帯債権者は債務者に対して全額の支払を請求することができる。
連帯債務者の一人への債権譲渡通知
連帯債務者全員に対する債権が譲渡された場合に、譲渡人が連帯債務者のうち一人にのみ債権譲渡の通知をしたときは、通知を受けていないその余の連帯債務者に対しては債権の譲渡を対抗することができない。
他の連帯債務者の反対債権と履行拒絶
連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合に、その連帯債務者が相殺を援用しない間は、他の連帯債務者は、その連帯債務者の負担部分の限度で債務の履行を拒むことができるにとどまり、その債権を自働債権として相殺することはできない。
連帯債務と相殺の援用
連帯債務者の一人が債権者に対して相殺適状にある反対債権を有する場合、他の連帯債務者は、当該連帯債務者が相殺を援用しない間であっても、その負担部分の限度において債権者への履行を拒むことができる(民法439条2項)。
連帯債務者に対する判決と相対効
連帯債務者の一人に対して請求を認容する判決が確定しても、別段の意思表示がない限り、他の連帯債務者について消滅時効が新たに進行を始めることはない。
連帯債務と消滅時効の更新
連帯債務者の一人に対する裁判上の請求により確定判決を得たことによる時効の更新は、他の連帯債務者に対してはその効力を生じない。
連帯債務と相殺の対抗
他の連帯債務者の存在を知りながら事前通知なく弁済した者に対し、他の連帯債務者はその負担部分について相殺の抗弁を対抗でき、この場合、弁済者は相殺によって消滅すべきであった債務の履行を債権者に請求できる。
連帯債務者の一人と債権者との混同
連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は弁済をしたものとみなされる。
連帯債務者の一人と債権者の間の混同
連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、当該連帯債務者は弁済をしたものとみなされ、他の連帯債務者に対して負担部分の割合に応じて求償することができる。
連帯の免除と他の連帯債務者の責任
債権者に対し複数の連帯債務者が等しい負担部分で300万円の連帯債務を負っている場合において、債権者が一人の連帯債務者について連帯の免除をしたときでも、他の連帯債務者は、債権者に対し、300万円の連帯債務を負う。
連帯債務者間の弁済期の差異
連帯債務者の一人について弁済期を他の連帯債務者と異にすることは可能である。
連帯債務者の一人の意思無能力と負担部分
連帯債務者の一人が意思無能力により債務を負わない場合であっても、他の連帯債務者はその者の負担部分について債務を免れない。