条文・判例・学説を体系的に整理
変更判決の口頭弁論の要否
裁判所は、判決に法令の違反があることを発見したときは、その言渡し後一週間以内に限り、変更の判決をすることができ、変更の判決は、口頭弁論を経ないでする。
申立てなき和解無効確認判決の可否
訴訟上の和解の成立により終了した訴訟について、被告が和解の無効を主張して期日指定の申立てをした場合に、いずれの当事者も和解が無効であることの確認を求めていないときは、裁判所は、主文において和解が無効であることを確認する判決をすることができない。
平成27年11月30日最高裁第一小法廷民集69巻7号2154頁(建物明渡請求事件)
不執行合意が認められる給付判決の主文
給付訴訟において、その給付請求権について被告が主張する不執行の合意の事実が認められるときは、裁判所は、その請求権について強制執行をすることができないことを判決の主文において明示しなければならない。
平成5年11月11日最高裁第一小法廷民集47巻9号5255頁(貸金等)
申立てのない利息の判決
貸金の返還を求める訴訟において、原告から利息の支払を求める申立てがない場合には、裁判所は、利息の支払を命ずる判決をすることはできない。
物の引渡しと損害賠償
物の引渡請求訴訟において、被告の過失によって物の引渡しができないことが明らかになった場合でも、裁判所は、原告が訴えを変更しないときは、損害賠償を命ずる判決をすることができない。
判決言渡期日の呼出し
当事者の一方が適式な呼出しを受けながら口頭弁論の期日に欠席した場合において、裁判所が、口頭弁論を終結し、判決言渡期日を指定して告知したときは、欠席した当事者に対し判決言渡期日の呼出状を送達することを要しない。
判決の更正決定の職権による実施
判決に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、いつでも更正決定をすることができる。
簡易裁判所の和解に代わる決定
簡易裁判所は、金銭の支払の請求を目的とする訴えにつき、被告が口頭弁論において原告の主張した事実を全て争わず、その他何らの防御の方法をも提出しない場合において、相当と認めるときは、原告の意見を聴いた上で、当該請求に係る金銭の支払について分割払の定めをして、当該金銭の支払を命ずる決定をすることができる。
簡易裁判所の電子判決書の簡略記録
簡易裁判所の電子判決書に事実及び理由を記録するには、請求の趣旨及び原因の要旨、その原因の有無並びに請求を排斥する理由である抗弁の要旨を記録すれば足りる。
筆界確定訴訟と請求棄却の禁止
裁判所は、筆界確定訴訟において、証拠等により特定の筆界を認定できない場合でも請求を棄却することは許されず、具体的事案に応じ最も妥当な筆界を合目的的な判断によって確定しなければならない。
昭和43年2月22日最高裁第一小法廷民集22巻2号270頁(境界確定請求)
引換給付判決と反対給付の額
原告が売買を原因として残代金500万円を支払うのと引換えに土地の所有権移転登記手続を求める訴訟において、残代金額が700万円であることが明らかになった場合には、裁判所は、被告に対し、原告から700万円の支払を受けるのと引換えに、原告への所有権移転登記手続を命ずる判決をすることができる。
既判力の主観的範囲
確定判決の既判力は、原則として当事者間にのみ生じ、訴訟に参加していない第三者には及ばない。
口頭弁論終結後の承継人への既判力
確定判決の既判力は、口頭弁論終結後の承継人に対しても及ぶ。
転借人と既判力
賃貸借契約の終了に基づく土地明渡請求訴訟の判決の既判力は、口頭弁論終結前から土地を転借している者に対しては及ばない。
請求の目的物を所持する者への既判力
確定判決の既判力は、当事者、当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人、又はこれらの者の口頭弁論終結後の承継人のために請求の目的物を所持する者(受寄者など)に対しても及ぶ。
宗教法人代表役員地位確認判決と対世効
宗教法人の代表役員の地位にあることの確認を求める訴訟において請求を認容する判決が確定した場合、当該判決は対世的効力を有する。
昭和44年7月10日最高裁第一小法廷民集23巻8号1423頁(責任役員等確認請求)
和解と訴訟費用の負担
当事者が裁判所において和解をした場合に、訴訟費用の負担について定めなかったときは、各当事者が自己の支出した訴訟費用を負担することになる。
上告審と和解の試み
上告裁判所は、和解を試みることを相当と認める場合には、原審に事件を差し戻すことなく、自ら和解を試みることができる。
和解の試みと受託裁判官
受訴裁判所は、和解の試みを受命裁判官にさせることができ、また受託裁判官にさせることもできる。
和解調書と消滅時効の更新
訴訟において和解が成立し請求権が確定した場合、消滅時効が更新される。