条文・判例・学説を体系的に整理
連帯債務者の一人への債権譲渡通知
連帯債務者全員に対する債権が譲渡された場合に、譲渡人が連帯債務者のうち一人にのみ債権譲渡の通知をしたときは、通知を受けていないその余の連帯債務者に対しては債権の譲渡を対抗することができない。
他の連帯債務者の反対債権と履行拒絶
連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合に、その連帯債務者が相殺を援用しない間は、他の連帯債務者は、その連帯債務者の負担部分の限度で債務の履行を拒むことができるにとどまり、その債権を自働債権として相殺することはできない。
連帯債務と相殺の援用
連帯債務者の一人が債権者に対して相殺適状にある反対債権を有する場合、他の連帯債務者は、当該連帯債務者が相殺を援用しない間であっても、その負担部分の限度において債権者への履行を拒むことができる(民法439条2項)。
連帯債務者に対する判決と相対効
連帯債務者の一人に対して請求を認容する判決が確定しても、別段の意思表示がない限り、他の連帯債務者について消滅時効が新たに進行を始めることはない。
連帯債務と消滅時効の更新
連帯債務者の一人に対する裁判上の請求により確定判決を得たことによる時効の更新は、他の連帯債務者に対してはその効力を生じない。
連帯債務と相殺の対抗
他の連帯債務者の存在を知りながら事前通知なく弁済した者に対し、他の連帯債務者はその負担部分について相殺の抗弁を対抗でき、この場合、弁済者は相殺によって消滅すべきであった債務の履行を債権者に請求できる。
連帯債務者の一人と債権者との混同
連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は弁済をしたものとみなされる。
連帯債務者の一人と債権者の間の混同
連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、当該連帯債務者は弁済をしたものとみなされ、他の連帯債務者に対して負担部分の割合に応じて求償することができる。
連帯の免除と他の連帯債務者の責任
債権者に対し複数の連帯債務者が等しい負担部分で300万円の連帯債務を負っている場合において、債権者が一人の連帯債務者について連帯の免除をしたときでも、他の連帯債務者は、債権者に対し、300万円の連帯債務を負う。
連帯債務者間の弁済期の差異
連帯債務者の一人について弁済期を他の連帯債務者と異にすることは可能である。
連帯債務者の一人の意思無能力と負担部分
連帯債務者の一人が意思無能力により債務を負わない場合であっても、他の連帯債務者はその者の負担部分について債務を免れない。
連帯債務者の一人との更改
連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権はすべての連帯債務者の利益のために消滅し、更改によって生じた新たな債務は更改をした連帯債務者のみが負い、他の連帯債務者はこれについて責任を負わない。
連帯債務者の一人の承認と時効の更新
連帯債務者の一人が債務を承認したことによる時効更新の効力は、他の連帯債務者には及ばない。
連帯債務者の弁済後の通知義務
連帯債務者の一人が共同の免責を得たことを他の連帯債務者に通知することを怠ったため、他の連帯債務者が善意で弁済その他の免責行為をしたときは、後の免責行為をした者はその行為を有効であったものとみなすことができるが、後の免責行為をした者自身が事前通知を怠った場合は判例上この保護を受けることができない。
昭和57年12月17日最高裁第二小法廷民集36巻12号2399頁
連帯債務と相続
連帯債務者の一人が死亡し、その相続人が数人ある場合、各相続人は被相続人の債務の分割されたものを承継し、連帯債務者の一人として全額の履行義務を負うものではない。
昭和34年6月19日最高裁第二小法廷民集13巻6号757頁(貸金請求)
連帯債務者の代物弁済と詐欺取消し
連帯債務者の一人が代物弁済をした後、その代物弁済を詐欺を理由として取り消した場合、他の連帯債務者は、その代物弁済が詐欺によるものであることを知らなかったときであっても、債権者に対し、代物弁済による債務の消滅を主張することはできない。
連帯債務者の相殺と他の連帯債務者への効力
連帯債務者の一人が債権者に対して有する金銭債権を自働債権として相殺をした場合、他の連帯債務者についても相殺の効力が及ぶ。
連帯債務者の一人への履行請求の相対効
債権者が連帯債務者の一人に対して履行の請求をしても、債権者と他の連帯債務者が別段の意思を表示していない限り、他の連帯債務者に対してはその効力を生じず、他の連帯債務者の債務について時効の完成猶予又は更新の効力も生じない。
連帯債務者の一人に対する免除
債権者が連帯債務者の一人に対して債務の免除をしても、債権者と他の連帯債務者が別段の意思を表示していない限り、他の連帯債務者に対してはその効力を生じず、他の連帯債務者の債務は、免除を受けた者の負担部分についても減少しない。
連帯債務者の一人の消滅時効
連帯債務者の一人のために消滅時効が完成しても、債権者と他の連帯債務者が別段の意思を表示していない限り、他の連帯債務者に対してはその効力を生じず、他の連帯債務者の債務は、時効が完成した者の負担部分についても減少しない。