条文・判例・学説を体系的に整理
会計検査院と情報公開法上の行政機関
会計検査院は、内閣に対し独立の地位を有する機関であるが、行政機関の保有する情報の公開に関する法律2条1項6号により同法の「行政機関」に含まれ、その保有する行政文書は開示請求の対象となる。
開示請求書補正の参考情報提供の努力義務
行政機関の長は、開示請求書に形式上の不備があると認めて開示請求者に補正を求める場合には、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。
他の行政機関作成の文書の開示請求移送
行政機関の長は、開示請求に係る行政文書が他の行政機関により作成されたものであるときその他他の行政機関の長において開示決定等をすることにつき正当な理由があるときは、当該他の行政機関の長と協議の上、事案を移送することができる。
不開示決定取消訴訟の不服申立前置
行政文書の開示請求に対する不開示決定を受けた開示請求者は、行政不服審査法に基づく不服申立てを経なくても、当該不開示決定の取消訴訟を提起することができる(審査請求前置は課されていない)。
情報開示請求の方式と理由・目的の記載
開示請求は、開示請求をする者の氏名又は名称及び住所又は居所、行政文書の名称その他の開示請求に係る行政文書を特定するに足りる事項を記載した開示請求書を行政機関の長に提出してしなければならず、開示請求の理由及び目的を記載する必要はない。
生命等保護に必要な法人情報の開示
法人等に関する情報であっても、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報は、不開示情報に当たらず、公にすることにより法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものであっても、行政機関の長は、そのことを理由に不開示とすることはできない。
情報公開法の開示請求権者
行政機関の保有する情報の公開に関する法律は、外国の国籍を有する者を含む何人にも開示請求権を認めているが、衆議院・参議院の事務局や最高裁判所の事務総局は同法の対象となる行政機関に含まれないため、これらの保有する文書は開示請求の対象とならない。
行政文書の定義
開示請求の対象となる行政文書とは、行政機関の職員が職務上作成し又は取得した文書、図画及び電磁的記録であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものをいい、職員が個人的に用いるにとどまるものは含まれない。
開示請求の方法
開示請求は、行政文書の名称その他の開示請求に係る行政文書を特定するに足りる事項を明らかにしても、口頭により行うことは認められない。
開示決定等の期限
行政機関の長は、開示請求があった日から30日以内に開示決定等をしなければならないが、期限内に決定をしなくても、開示をしない旨の決定があったものとみなされるわけではない。
営利目的の開示請求
行政文書の開示請求が専ら営利目的のために行われた場合であっても、行政機関の長がそのことを理由として開示を拒否することはできない。
文書不存在と不開示決定
行政機関の長は、開示請求に係る行政文書を保有していない場合であっても、不開示決定をしなければならず、当該決定は、取消訴訟の対象となる処分に当たる。
開示決定等の期限
開示請求から請求に対する決定までの期間については、法律上、期限の定めがあり、原則として30日以内とされている。
他の行政機関作成文書の開示判断
行政機関の長は、情報公開法に基づく開示請求に係る行政文書が他の行政機関により作成されたものである場合でも、当該行政文書の開示の是非を判断して開示決定等をすることができ、当該他の行政機関の長と協議の上で事案を移送することもできるが、他の行政機関が作成した文書であることを理由に当該開示請求を却下することはできない。
公益上の理由による開示と第三者意見
行政機関の長は第三者に関する情報が記録されている行政文書を情報公開法7条の規定により公益上の理由により開示しようとするときは開示決定に先立ち所在の判明している第三者に対し意見書を提出する機会を与えなければならない。
行政文書の作成義務
行政機関の長は、開示請求時点において保有していない行政文書を開示請求に応ずるために作成する義務を負わない。
行政文書の範囲
情報公開法は、開示請求の対象である行政文書につき決裁・供覧等の事案処理手続の終了を要件としていないが、職員の個人的なメモは開示請求の対象に含まれない。