条文・判例・学説を体系的に整理
特定株主の自己株式取得と当該株主議決権
株式会社が特定の株主から当該株式会社の株式を取得するために株主総会の決議をするときは、当該特定の株主は、原則として、その決議について議決権を行使することができない。
取締役の自己取引の承認と事業の部類
取締役会設置会社において、取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとする場合には、当該取引が株式会社の事業の部類に属するか否かにかかわらず、原則として、取締役会の承認を受けなければならない。
特別利害取締役の取締役会議決への参加
取締役会の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができないから、取締役会設置会社が取締役との取引について取締役会の承認をする場合には、その取締役は議決に加わることができない。
責任一部免除の総会決議と取締役議決権
会社法425条の責任一部免除の対象となる取締役が議決権を有する株主でもある場合、免除対象であることだけを理由に、その株主総会決議の議決権を失うものではない。
株主名簿の記載事項(株式の取得日)
株式会社は、株主名簿に、株主の氏名又は名称及び住所、株式の数のほか、株主が株式を取得した日を記載し、又は記録しなければならない。
株主名簿管理人
株式会社は、株主名簿管理人を置く旨を定款で定め、株主名簿の作成及び備置きその他の株主名簿に関する事務を行うことを委託することができる。
株主の権利行使の基準日
株式会社は、一定の日(基準日)を定めて、基準日において株主名簿に記載され又は記録されている株主(基準日株主)を、その権利を行使することができる者と定めることができる。
株主名簿の閲覧謄写請求の拒絶事由
株主名簿の閲覧又は謄写の請求について、請求者が当該株式会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み又はこれに従事する者であることは、会社法125条3項が定める請求を拒むことができる事由には含まれていない。
株主に対する通知・催告の宛先
株式会社が株主に対してする通知又は催告は、株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を会社に通知していないときは、株主名簿に記載し又は記録した当該株主の住所にあてて発すれば足りる。
登記官の過誤による未登記と対抗力
登記すべき事項について登記の申請がされたものの登記官の過誤により登記がされなかった場合には、登記の後でなければ善意の第三者に対抗できないとする会社法908条1項前段により、申請者は当該事項を善意の第三者に対抗することができない。
登記後の正当な事由(客観的障害)
登記後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは対抗できないが、正当な事由とは、登記簿の閲覧を妨げる客観的な障害(交通の途絶等)をいい、本人の負傷のような主観的・個人的な事情は含まれない。
未選任者の取締役就任登記承諾と責任
取締役として選任されていない者が、自己を取締役として登記することを承諾してその旨の登記がされた場合には、当該登記事項が不実であることを善意の第三者に対抗することができず、会社法429条1項の責任を負うことがある。
昭和47年6月15日最高裁第一小法廷民集26巻5号984頁(損害賠償請求)
登記官の過誤による不実登記と対抗力
申請された登記事項について登記官の過誤により誤った内容が登記された場合には、登記の申請者に故意又は過失がなければ会社法908条2項は適用されず、申請者は当該事項が不実であることを善意の第三者に対抗することができる。
取締役の個人別報酬内容の決定方針
取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針は、株式会社の登記事項ではない。
親会社の名称の登記
親会社の名称は、株式会社の登記事項ではない。
代表取締役・代表執行役の氏名住所登記
代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては代表執行役)の氏名及び住所は、株式会社の登記事項である。
会計監査人設置会社の会計監査人の登記
会計監査人設置会社であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称が、株式会社の登記事項である。
相続による譲渡制限株式取得と名義書換
相続により譲渡制限株式を取得した株式取得者は、会社の承認を受けることなく株主名簿の名義書換を請求することができる。
名義書換不当拒絶の効果
株式会社が株主名簿の名義書換請求を正当な事由なく拒絶したときは、会社は名義書換がないことを理由に株式譲渡を否定することができず、株式取得者を株主として取り扱わなければならない。
昭和41年7月28日最高裁第一小法廷民集20巻6号1251頁(株式引渡請求)
振替株式の名義書換
振替株式に係る株主名簿の名義書換は、振替機関から株式会社に対してされる総株主通知に基づいて行われる。