条文・判例・学説を体系的に整理
未成年後見人の複数選任と職務分掌
未成年後見人が数人ある場合、財産に関する権限については、家庭裁判所は職権で各後見人が単独で又は職務を分掌してその権限を行使すべきことを定めることができるが、身上の監護に関する権限については、このような分掌の定めをすることができない(民法857条の2)。
成年後見人と居住用不動産の処分
成年後見人が成年被後見人を代理してその居住している建物を売却する場合には、家庭裁判所の許可を得なければならない。
成年後見人の預金払戻しと後見監督人の同意
成年後見人が成年被後見人を代理して預金の払戻しを受けるには、後見監督人があるときであっても、その同意を得る必要はない。
任意後見と本人の行為能力
任意後見監督人が選任された後であっても、本人の行為能力は制限されず、任意後見人の同意を得ずにした行為を取り消すことはできない。
親権停止と後見の開始
親権停止の審判によって未成年者に対して親権を行う者がなくなるときは後見が開始する。
成年後見人の選任方法
成年後見人は家庭裁判所が職権で選任するものであり、配偶者が当然に成年後見人となるものではない。
複数後見人の選任
成年後見及び未成年後見のいずれにおいても、家庭裁判所は複数の後見人を選任することができ、数人の後見人があるときは職権で事務を分掌してその権限を行使すべきことを定めることができる(未成年後見では財産に関する権限に限られる)。
後見人の欠格事由
破産者は後見人となることができない。
未成年後見人の権限範囲
親権を行う者が財産管理権を有しない場合に選任された未成年後見人は、財産管理権を有するが、身上監護権は親権を行う者が引き続き有する。
成年後見人と居住用不動産の処分
成年後見人は成年被後見人の居住の用に供する建物又はその敷地について売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには家庭裁判所の許可を得なければならない。
法人の未成年後見人就任
法人も未成年後見人になることができる。
複数未成年後見人の権限の単独行使
未成年後見人が数人ある場合には、共同してその権限を行使するのが原則であるが、家庭裁判所は、職権で、その一部の者について財産に関する権限のみを行使すべきことを定めることができ、また、財産に関する権限について各未成年後見人が単独で行使すべきことを定めることもできる。
成年後見人の追加選任
成年後見人が選任されている場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、請求により又は職権で、更に成年後見人を選任することができる。
後見人の財産管理と本人の同意
未成年後見人は、未成年被後見人の財産を管理し、その財産に関する法律行為について未成年被後見人を代表するが、未成年被後見人の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、未成年被後見人の同意を得なければならない。
未成年後見の開始
未成年後見は、親権者がいないとき等に開始し、成年後見とは異なり後見開始の審判は必要ない。
成年後見人の選任
成年後見人が欠けたときは、家庭裁判所は請求または職権で成年後見人を選任する。
法人による成年後見人への就任
法人も、成年後見人となることができる(843条4項は、成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と成年被後見人との利害関係の有無を考慮すべきものと定める)。
後見人の欠格事由
未成年者は後見人となることができない。
後見人の注意義務
未成年後見人は、自己のためにするのと同一の注意ではなく、善良な管理者の注意をもって、後見の事務を行わなければならない(869条、644条)。
未成年後見人の遺言による指定
成年後見人は家庭裁判所が選任するが、未成年後見人は、最後に親権を行う者が遺言で指定した者が就任することがあり、必ずしも家庭裁判所の選任によらない(民法839条・840条)。