条文・判例・学説を体系的に整理
債務者の交替による更改と抗弁の承継
債務者の交替による更改があったときは、従前の債務は消滅して新たな債務が発生するから(513条2号)、更改後の債務者は、更改前の債務者が主張することができた抗弁をもって債権者に対抗することはできない。
債権者交替の更改と抵当権の移転
債権者の交替による更改においては、更改前の債権者が、更改前の債務の目的の限度でその債務の担保として設定された質権又は抵当権を更改後の債務に移すことができる。
債務者交替の更改と第三者設定の抵当権
債務者の交替による更改において、第三者が設定した抵当権を更改後の債務に移すには、その第三者の承諾が必要であるが(518条1項ただし書)、その第三者が更改後の債務者となる者であるときは、改めてその承諾を得なくても、更改前の債務の目的の限度で抵当権を更改後の債務に移すことができる。
更改後の債務者の求償権
債務者の交替による更改後の債務者は、更改前の債務者に対して求償権を取得しない。
債権者交替の更改と債務者設定質権
債権者の交替による更改においては、更改前の債権者は、更改前の債務の担保として設定された質権又は抵当権を更改後の債務に移すことができ、第三者が設定した場合にはその承諾を要するが、債務者自身が設定した担保であれば、債務者の承諾を要しない(債務者に対する意思表示で足りる)。
更改による債権の消滅と新債権の成立
当事者が従前の債務に代えて、従前の給付の内容について重要な変更をするもの、従前の債務者が第三者と交替するもの、又は従前の債権者が第三者と交替するもののいずれかに当たる新たな債務を発生させる契約をしたときは、従前の債務は更改によって消滅する。
併存的な債務負担と更改
消費貸借契約の成立後、第三者が借主と連帯して債務弁済の責任を負担することを約しても、従前の債務は消滅しないから、更改(民法513条)には当たらない。
債務者交替更改と債務者の意思
債務者の交替による更改は、債権者と更改後に債務者となる者との契約によってすることができ、更改前の債務者の意思に反するときであっても、することができる。
債務者の交替による更改
債務者の交替による更改は、債権者と更改後に債務者となる者との契約によってすることができ、債権者が更改前の債務者に対してその契約をした旨を通知した時に効力を生ずる。
債権者の交替による更改の対抗要件
債権者の交替による更改は、確定日付のある証書によってしなければ、第三者に対抗することができない。
更改と担保の移転
債権者は、更改前の債務の目的の限度において、その債務の担保として設定された質権又は抵当権を更改後の債務に移すことができるが、第三者がこれを設定した場合にはその承諾を得なければならない。
更改による従前の債務の消滅
当事者が従前の債務に代えて、新たな債務であって従前の給付の内容について重要な変更をするものを発生させる契約をしたときは、従前の債務は、更改によって消滅する。