条文・判例・学説を体系的に整理
解除条件付契約の条件成就の遡及合意
当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意思を表示したときは、その意思に従う。
期間の起算点(初日不算入)
日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しないのが原則であり(民法140条本文)、期間が午前零時から始まるときに限って初日を算入する(同条ただし書)。
休日を期間末日とする取引と慣習
期間の末日が日曜日その他の休日に当たる場合において、その日に取引をしない慣習があるときに限り、期間は、その翌日に満了する。
成就不能な停止条件付法律行為
条件が成就しないことが法律行為の時に既に確定していた場合において、その条件が停止条件であるときは、その法律行為は無効とする。
期限の利益の放棄と相手方の利益
期限の利益は放棄することができ、その放棄が相手方の利益を害するときであっても、放棄すること自体ができなくなるわけではない(民法136条2項ただし書は、放棄によって相手方の利益を害することはできないと定める)。
担保の滅失・損傷と期限の利益の喪失
債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたときは、債務者は期限の利益を主張することができない。
条件の成否未定の間の侵害と損害賠償義務
条件付法律行為の各当事者は、条件の成否が未定である間は、条件が成就した場合にその法律行為から生ずべき相手方の利益を害することができず、これを害した者は、条件が成就したときに損害賠償義務を負う。
条件成就の妨害(停止条件付贈与)
条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができ、受贈者は動産の引渡しを請求することができる。
不法な行為をしないことを条件とする贈与
不法な行為をしないことを条件とする法律行為は無効であり、窃盗をしなかったことを条件とする贈与の請求を、贈与者は拒むことができる。
当然相殺の合意の有効性
当事者が、一定の事由が発生したときに相殺の意思表示を待たずに当然に相殺の効力が生ずる旨を合意することは、契約自由の原則上有効であり、その合意があるときは、その事由の発生によって相殺の効力が生ずる。
昭和45年6月24日最高裁大法廷民集24巻6号587頁(定期預金等請求)
時間を単位とする期間の起算
ある年の6月3日午前10時に「5時間以内に債務を履行する」と合意された場合、その期間は同日午前10時から起算する。
週を単位とする期間の起算
ある年の5月16日午後3時に「1週間以内に債務を履行する」と合意された場合、その期間は同日午前零時からではなく翌日(5月17日)から起算する。
期間の末日が日曜日等に当たる場合
合意によって定められた期間の末日が日曜日に当たる場合において、その日曜日に取引をする慣習があるときは、その期間はその日に満了する。
月を単位とする期間の満了
ある年の7月12日午前11時に「1か月以内に債務を履行する」と合意された場合、初日不算入により7月13日から起算し、その期間は同年8月12日の終了をもって満了する。
うるう年でない年の月末の期間計算
うるう年ではない年の1月30日午後5時に「1か月以内に債務を履行する」と合意された場合、初日不算入により1月31日から起算し、その期間は同年2月28日の終了をもって満了する。
停止条件付法律行為の遡及効
停止条件付法律行為は停止条件が成就した時からその効力を生ずるのが原則であるが、当事者が条件成就の効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意思を表示したときはその意思に従う。
不能の解除条件と法律行為の効力
不能の解除条件を付した法律行為は無条件の法律行為となる。
条件成就によって生ずべき利益の侵害
条件付法律行為の各当事者は、条件の成否が未定である間は、条件の成就によって生ずべき相手方の利益を害することができず、これに違反した場合には損害賠償責任を負う。
条件成就の妨害
条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方はその条件が成就したものとみなすことができる。
単独行為への条件付加の可否
単独行為に条件を付することは相手方の地位を不安定にするため原則として許されないが、賃料の不払を理由とする解除のように、相手方に不利益を与えず相手方の履行によって条件成就を左右できる場合には、停止条件を付した解除の意思表示も許される。
昭和39年10月27日東京高裁高民集17巻6号463頁(家屋明渡請求事件)