条文・判例・学説を体系的に整理
再審の利益再審
刑事訴訟法は、二重の危険の禁止の趣旨から、確定した有罪判決の言渡しを受けた者にとって利益な方向での再審のみを認めた。
検察官の再審請求権
検察官は再審の請求をすることができる。
有罪者死亡後の再審請求権者
有罪の言渡しを受けた者が死亡した場合には、その者の配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は再審の請求をすることができる。
再審請求と弁護人選任
有罪の言渡しを受けた者は再審の請求をする場合には弁護人を選任することができる。
再審開始の決定
再審の請求を受けた裁判所は、同請求が理由のあるときは再審開始の決定をしなければならない。
再審開始決定と確定判決の効力
有罪の確定判決について再審開始の決定が確定しても、再審の判決が確定するまでは、再審の請求が対象とした確定判決はその効力を失わない。
無罪判決に対する再審禁止
有罪を認めるべき明らかな証拠を新たに発見した場合でも、無罪の言渡しをした確定判決に対して再審の請求をすることはできない(再審は有罪の言渡しを受けた者の利益のためにのみ認められる)。
刑の執行終了後の再審
再審の請求は、刑の執行が終わり、又はその執行を受けることがないようになったときでも、することができる(刑事訴訟法441条)。
検察官による利益再審請求
検察官は、有罪の言渡しをした確定判決に対して、その言渡しを受けた者の利益のために、再審の請求をすることができる(刑事訴訟法439条1項1号)。
再審開始決定と刑の執行停止
再審の請求を受けた裁判所は、再審の請求が理由のあるときは再審開始の決定をしなければならず、その場合には確定判決による刑の執行を停止することができる。
再審と疑わしきは被告人の利益に
再審における無罪を言い渡すべき明らかな証拠であるかどうかの判断に際しても、確定判決における事実認定につき合理的な疑いを生ぜしめれば足りるという意味で疑わしいときは被告人の利益にという鉄則が適用される。
昭和50年5月20日最高裁第一小法廷刑集29巻5号177頁(再審請求棄却決定に対する異議申立の棄却決定に対する特別抗告)
再審事由の明らかな証拠と合理的疑い
刑事訴訟法435条6号の「明らかな証拠」とは、確定判決における事実認定につき合理的な疑いを抱かせ、その認定を覆すに足りる蓋然性のある証拠をいう(最決昭50.5.20)。
昭和50年5月20日最高裁第一小法廷刑集29巻5号177頁(再審請求棄却決定に対する異議申立の棄却決定に対する特別抗告)
再審の証拠明白性と全証拠の総合評価
証拠の明白性は、申立てに係る証拠が確定判決の審理中に提出されていたら確定判決のような事実認定に到達したかという観点から、当の証拠と他の全証拠を総合的に評価して判断すべきであり、疑わしいときは被告人の利益にという原則が適用される(最決昭50.5.20)。
昭和50年5月20日最高裁第一小法廷刑集29巻5号177頁(再審請求棄却決定に対する異議申立の棄却決定に対する特別抗告)
再審の明白性の孤立評価と総合評価
再審事由の証拠の明白性は、申立てに係る証拠のみを単独に評価する孤立的な方法によってではなく、当の証拠と他の全証拠を総合的に評価して判断すべきである。
昭和50年5月20日最高裁第一小法廷刑集29巻5号177頁(再審請求棄却決定に対する異議申立の棄却決定に対する特別抗告)
再審の明白な証拠に必要な蓋然性の程度
刑事訴訟法435条6号の「明らかな証拠」は、確定判決の事実認定に合理的な疑いを抱かせ、その認定を覆すに足りる蓋然性のある証拠で足り、無罪の事実認定に到達する高度の蓋然性のある証拠までは要しない(最決昭50.5.20)。
昭和50年5月20日最高裁第一小法廷刑集29巻5号177頁(再審請求棄却決定に対する異議申立の棄却決定に対する特別抗告)