条文・判例・学説を体系的に整理
氏名秘匿と弁護人選任届の却下
被告人が自らの氏名を一貫して明らかにせず、刑事施設の居室番号の自署・拇印等により自己を表示し、弁護人が署名押印した弁護人選任届を提出した場合、裁判所がその選任届を不適法として却下することは違法ではない。
昭和32年2月20日最高裁大法廷刑集11巻2号802頁(威力業務妨害、公務執行妨害、傷害)
当事者主義と取調べ受忍義務
現行法が第一次的に当事者主義を採っており被疑者も捜査機関と相対立する一方当事者であると考えられることと取調べ受忍義務否定説はより整合的であるとの見解がある。
親族による弁護人選任
被告人又は被疑者の配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができる。
国選弁護人の審級効力
被告人の国選弁護人の選任は、審級ごとにしなければならない。
被疑者国選弁護人と勾留執行停止
被疑者の国選弁護人の選任は、勾留の執行停止により被疑者が釈放された場合でもその効力を失わない。
私選弁護人選任の方式
公訴の提起後における弁護人の選任は、弁護人と連署した書面を差し出してこれをしなければならない。
弁護人の選任権者
被疑者又は被告人は、何時でも弁護人を選任することができ、被疑者又は被告人の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹も独立して弁護人を選任できる。
被疑者国選弁護の勾留状発付請求の要件
被疑者国選弁護は、罪名や法定刑による限定なく、被疑者に対して勾留状が発せられている場合(勾留を請求された被疑者を含む)に限られ、身体を拘束されていない被疑者については、貧困により弁護人を選任できなくても、国選弁護人の選任を請求することはできない(刑事訴訟法37条の2)。
逮捕状発付への準抗告の法的根拠の欠如
逮捕状発付の裁判は、準抗告の対象となる裁判官の裁判(刑事訴訟法429条1項各号)に含まれておらず、これに対する準抗告には法令上の根拠がない。
本人による弁護人選任の連署方式
被告人本人が弁護人を選任する場合には被告人と弁護人の連署のある書面を要し、氏名を記載できない合理的理由がないのに被告人の署名を欠く選任届による選任は無効である。
起訴前にした弁護人選任の第一審の効力
公訴の提起前にした弁護人の選任は、第一審においてもその効力を有し、公訴提起後に改めて選任する必要はない(刑事訴訟法32条1項)。
公訴提起後の弁護人選任の効力
公訴の提起後における弁護人の選任は、審級ごとにこれをしなければならない。
勾留状の発付と被疑者国選弁護請求
現行法の被疑者国選は法定刑を問わないが、勾留状が発せられていること等を要し、在宅被疑者は請求できない。
必要的弁護人の不出頭のおそれと職権選任
必要的弁護事件で弁護人が出頭しないおそれがあるときは、裁判所は職権で弁護人を付することができる(刑事訴訟法289条3項)。
国選弁護人の辞任
国選弁護人は辞任を申し出ても当然には地位を失わず、公訴提起後は裁判所、公訴提起前は裁判官による解任を要する。
昭和54年7月24日最高裁第三小法廷刑集33巻5号416頁(兇器準備集合、威力業務妨害、公務執行妨害)
配偶者と本人による弁護人の重複選任
被疑者の配偶者等は、被疑者のために私選弁護人を選任することができるが、被疑者が別の私選弁護人を選任したときは、先に選任された弁護人は直ちにその地位を失うわけではない。