条文・判例・学説を体系的に整理
命令等の案と関連資料の事前公示義務
命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には、当該命令等の案とこれに関連する資料をあらかじめ公示しなければならない。
意見提出期間の三十日以上の原則の例外
命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合において、30日以上の意見提出期間を定めることができないやむを得ない理由があるときは、30日を下回る意見提出期間を定めることができる(この場合は、命令等の案の公示の際にその理由を明らかにしなければならない)。
委員会等の意見公募準用と制定機関義務
命令等制定機関は、委員会等の議を経て命令等を定めようとする場合(相反する利害の調整を目的とする政令指定の委員会等の場合を除く)において、当該委員会等が意見公募手続に準じた手続を実施したときは、自ら意見公募手続を実施することを要しない。
行政手続法36条の3の処分等の求め
何人も、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分がされていないと思料するときは、当該処分をする権限を有する行政庁に対し、その旨を申し出て、当該処分をすることを求めることができる。
行政手続法と行政契約の関係
行政手続法は、申請に対する処分、不利益処分、行政指導、届出及び意見公募手続について規定するが、行政契約の定義及びその締結・履行手続を規律する規定は設けておらず、行政契約の手続規律は個別法令によることになる。
裁量処分における考慮要素の例示公表
行政庁が裁量処分である授益的処分における考慮要素の例を公表している場合、これは行政手続法の規定による処分基準に該当するものではない。
不利益処分の理由の提示の程度
行政手続法14条1項本文に基づいてどの程度の理由を提示すべきかは、当該処分の根拠法令の規定内容、処分基準の存否及び内容並びに公表の有無、当該処分の性質及び内容、処分の原因となる事実関係の内容等を総合考慮して決すべきものであって、処分基準が公にされていれば処分基準の内容にかかわらず常にその適用関係の提示が必要となるものではないが、処分基準がかなり複雑な内容である場合などに、処分の原因となる事実と根拠法条を示すのみで処分基準の適用関係を全く示さず、いかなる理由に基づきどのような処分基準の適用によって処分が選択されたかを名宛人が知り得ないときは、同項本文の要求する理由提示として不十分となる。
平成23年6月7日最高裁第三小法廷民集65巻4号2081頁(一級建築士免許取消処分等取消請求事件)
意見公募手続の結果の公示
意見公募手続を実施して命令等を定めた場合には、命令等の公布と同時期に、提出意見を考慮した結果(意見公募手続を実施した命令等の案と定めた命令等との差異を含む)及びその理由を公示しなければならない。
処分基準と裁量権の逸脱濫用
行政手続法により定められ公にされている処分基準に、先行の処分を理由として後行の処分の量定を加重する旨の定めがある場合において、行政庁が当該処分基準の定めと異なる取扱いをすることは、特段の事情がない限り、裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たり違法となる。
平成27年3月3日最高裁第三小法廷民集69巻2号143頁(営業停止処分取消請求事件)
行政手続法の目的
行政手続法は、国民の権利利益を保護すること、行政運営における公正を確保すること、及び行政上の意思決定における透明性の向上を図ることを目的としている。
意見公募手続の対象外
行政手続法は法律案について意見公募手続と同じ内容の手続で広く一般の意見を求めることまで排除する趣旨を含まない。
命令等制定後の見直し義務
大臣は、省令を定めようとする場合には、適用除外に当たらない限り意見公募手続を実施しなければならず、省令を定めた後においても、必要に応じてその内容を検討し、適正を確保するよう努めなければならない。
意見公募手続の趣旨
審議会に関して限られた範囲の委員からの情報収集にとどまるという批判がみられたことから、政策の企画立案等に関する情報を広く国民から直接に収集する手法として行政手続法において意見公募手続が整備された。
審査基準・処分基準の意見公募手続
行政庁が審査基準又は処分基準を定める場合は原則として意見公募手続の対象となるが、非公表の基準や地方公共団体の機関が定めるもの等には行政手続法3条の適用除外があり、39条4項にも例外がある。
都市計画の策定と意見公募手続
都市計画の策定には、多様な利害の考慮が求められるが、行政手続法の定める意見公募手続の実施までは必要とされていない(都市計画は同法の「命令等」に当たらない)。
意見公募手続の適用除外
地方公共団体の機関が定める命令等については、その根拠となる規定が法律に置かれている場合であっても、行政手続法第6章の意見公募手続等の規定は適用されない。
申請拒否処分への弁明機会の不適用
営業許可申請に対する不許可処分は、申請により求められた許認可等を拒否する処分として不利益処分から除かれるので、不利益処分についての弁明の機会の付与の定めは適用されない(審査基準の設定は適用される)。
申請処分における審査基準の設定
行政手続法5条は、行政庁は申請に対する処分について審査基準を定めるものとすると定めており、営業許可申請に対する不許可処分には審査基準の設定の定めが適用される。
職権の営業停止と標準処理期間の不適用
標準処理期間の設定(行政手続法6条)は申請に対する処分の規定であり、職権による営業停止処分のような不利益処分には適用されない(理由の提示の定めは適用される)。
不利益処分と同時の理由提示義務
行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない(行政手続法14条1項)。