条文・判例・学説を体系的に整理
主債務者と連帯保証人の各自の時効援用
通常共同訴訟において、共同被告の一人(主債務者)が時効消滅を主張しても、他の共同被告(連帯保証人)が自ら時効を援用しない限り、裁判所は、主債務者の主張を連帯保証人に対する請求についての判断の基礎とすることはできない。
同時審判申出共同訴訟の一方の控訴
同時審判の申出がある共同訴訟は通常共同訴訟であり、共同被告の一方が適法に控訴しても、控訴しなかった共同被告に対する判決は確定する。
通常共同訴訟の共同被告の主張の効力
主債務者と連帯保証人を共同被告とする通常共同訴訟において、主債務者が弁済の事実を主張し、連帯保証人が主張しない場合に、裁判所は、補助参加の申出がない限り、主債務者の弁済の主張を連帯保証人に対する請求の判断に用いることはできず、弁済を理由に連帯保証人に対する請求を棄却することはできない。
昭和43年9月12日最高裁第一小法廷民集22巻9号1896頁(建物収去土地明渡請求事件)
株主総会決議取消の補助参加人控訴期間
株主総会決議の取消しを求める訴えにおいて、決議により選任された取締役が会社のために補助参加した場合の補助参加は、取消判決が第三者に対しても効力を有するため、共同訴訟的補助参加にあたり、補助参加人は、被参加人(会社)の控訴期間が経過した後でも、自己が判決書の送達を受けた日から2週間以内であれば、控訴を提起することができる。
昭和40年6月24日最高裁第一小法廷民集19巻4号1001頁(行政処分取消等請求)
詐害防止参加ができる第三者の範囲
他人間の訴訟の結果によって権利が害されることを主張して訴訟に参加することができる第三者は、当該訴訟の判決が直接に効力を及ぼす者に限られず、訴訟の結果により間接に自己の権利が侵害されるおそれのある者も含まれる。
昭和42年2月23日最高裁第一小法廷民集21巻1号169頁(不動産売買登記抹消請求訴訟並びに当事者参加請求)
独立当事者参加の一部判決の禁止
独立当事者参加のある訴訟では、裁判所は、原告、被告及び参加人の三者を名宛人として一個の終局判決をしなければならず、その一部のみを名宛人とする終局判決をすることは許されない。
昭和43年4月12日最高裁第二小法廷民集22巻4号877頁(預金返還請求)
独立当事者参加の自白の効力
独立当事者参加訴訟では、原告の主張する事実について被告が自白をしても、参加人が争う限り、自白としての効力は生じない。
独立当事者参加の一人の上訴と移審
独立当事者参加訴訟では、原告、被告及び参加人のうちの一人の上訴により、全当事者につき移審の効果が生じ、他の当事者の上訴又は附帯上訴がなくても、合一確定に必要な限度でその当事者の利益に原判決を変更することができる。
昭和50年3月13日最高裁第一小法廷民集29巻3号233頁(土地所有権移転登記手続、土地所有権確認反訴等請求事件)
訴訟引受け決定後の原被告間の和解
義務承継人に訴訟を引き受けさせる決定があった場合でも、訴訟は同時審判の申出がある共同訴訟に準ずるもの(通常共同訴訟)となるから、原告と被告は、引受人を除いて訴訟上の和解をすることができる。
同一事故の別の被害者の共同訴訟参加
同一事故の別の被害者が、加害者に対して損害賠償を求めるため、他の被害者を被参加人として共同訴訟参加をすることはできない。
共有権確認・登記の必要的共同訴訟取下げ
共有者全員が共同原告となって共有権の確認又は共有権に基づく所有権移転登記手続を求める訴訟は固有必要的共同訴訟であり、共同原告の一人がした訴えの取下げは効力を生じない。
昭和46年10月7日最高裁第一小法廷民集25巻7号885頁(土地所有権確認等請求)
複数人による養子縁組無効訴訟と二重上告
数人の提起する養子縁組無効の訴えは、いわゆる類似必要的共同訴訟と解すべきであり、共同訴訟人の一人が上告を提起した後にされた他の共同訴訟人による上告は、二重上告として不適法である。
平成23年2月17日最高裁第一小法廷集民236号67頁(養子縁組無効確認請求事件)
入会権確認訴訟の共同訴訟人死亡と中断
入会権の確認を求める訴えは構成員全員の当事者関与を要する固有必要的共同訴訟であり、提訴に同調しない構成員を被告に加えることも許され、共同訴訟人の一人に手続中断の原因が生じたときは全員について中断の効力を生ずる。
昭和41年11月25日最高裁第二小法廷民集20巻9号1921頁(所有権移転登記手続請求)
遺産確認訴訟の共同原告の弁論期日欠席
共同相続人間における遺産確認の訴えは固有必要的共同訴訟であり、共同訴訟人の一人の訴訟行為は全員の利益においてのみ効力を生ずるから、共同原告の一人が欠席しても他の共同原告が出頭していれば相手方は在廷しない口頭弁論とならず、被告は、準備書面に記載していない事実も主張することができる。
平成元年3月28日最高裁第三小法廷民集43巻3号167頁(建物収去土地明渡、遺産確認並持分所有権移転登記手続請求事件)
通常共同訴訟と補助参加
通常共同訴訟においては、共同訴訟人間に共通の利害関係があるときでも、補助参加の申出をしない限り、当然には補助参加をしたと同一の効果を生ずるものではない。
通常共同訴訟と証人適格
通常共同訴訟において、共同訴訟人の一人のみが第一審判決に対して控訴を提起し、他の共同訴訟人については第一審判決が確定している場合には、控訴審において、判決が確定した共同訴訟人を証人として尋問することができる。
株主代表訴訟と類似必要的共同訴訟
複数の株主が共同して取締役に対して提起した責任追及等の訴え(株主代表訴訟)は、類似必要的共同訴訟である。
平成12年7月7日最高裁第二小法廷民集54巻6号1767頁(取締役損失補填責任追及請求控訴及び共同訴訟参加事件)
通常共同訴訟の意義
通常共同訴訟とは、訴訟共同の必要がなく、合一確定の必要もない共同訴訟をいう。
固有必要的共同訴訟の意義
固有必要的共同訴訟とは、訴訟共同の必要があり、かつ合一確定の必要がある共同訴訟をいう。
昭和46年12月9日最高裁第一小法廷民集25巻9号1457頁(境界確認請求)
類似必要的共同訴訟の意義
類似必要的共同訴訟とは、訴訟共同の必要はないが、合一確定の必要がある共同訴訟をいう。
平成9年4月2日最高裁大法廷民集51巻4号1673頁(損害賠償代位)