条文・判例・学説を体系的に整理
受動代理の顕名なき意思表示の効力
相手方が代理人に対して本人のためにすることを示して意思表示をした場合において、代理人がその意思表示を受領する権限を有していたときは、その意思表示は本人に対して直接にその効力を生ずる。
受動代理の意思表示の瑕疵の判断基準
相手方が代理人に対してした意思表示の効力が、意思表示を受けた者がある事情を知っていたこと又は知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、本人の選択ではなく、代理人について決する。
代理人の後見開始の審判と代理権の消滅
代理権は、代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたとき、又は代理人が死亡したときに消滅する。
特定行為の委託と本人の事情の主張制限
特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを、本人の指図の有無にかかわらず、主張することができない。
債務の履行と自己契約・双方代理
同一の法律行為について相手方の代理人として又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなされるが、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為についてはこの限りでない。
制限行為能力者の代理行為
制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為は、行為能力の制限を理由として取り消すことができる。
法定代理人の復代理人選任権
法定代理人は自己の責任で復代理人を選任することができ、やむを得ない事由があるために復代理人を選任したときは、本人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う。
双方代理の禁止と本人の許諾
同一の法律行為について、当事者双方の代理人としてした行為は代理権を有しない者がした行為とみなされるが、本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。
本人の死亡と代理権の消滅
委任による代理権は本人の死亡によって消滅するのが原則である。
特定の法律行為の委託と代理人の不知
特定の法律行為をすることを委託された代理人が本人の指図に従ってその行為をした場合、本人は自ら過失によって知らなかった事情について代理人が過失なく知らなかったことを主張することができない。
制限行為能力者の代理行為
代理人が相手方と売買契約を締結した後、その代理人が制限行為能力者であったことが判明した場合であっても、本人は当該売買契約を行為能力の制限によって取り消すことはできない。
権限の定めのない代理人の権限
権限の定めのない代理人は保存行為のほか、代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内における利用行為及び改良行為をする権限を有する。
任意代理権の消滅事由
任意代理において代理人が保佐開始の審判を受けたことは代理権の消滅事由ではない。
復代理人の本人に対する受領物引渡義務
委任による代理人が適法に復代理人を選任した場合、その復代理人が委任事務を処理するに当たり金銭その他の物を受領したときは、復代理人は本人に対して受領物を引き渡す義務を負う。
制限行為能力者の代理人資格
制限行為能力者が代理人としてした行為は行為能力の制限によっては取り消すことができないが、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為にはこの原則は適用されない。
成年後見人の復代理人選任
成年後見人は自己の責任において復代理人を選任することができる。
復代理人の権限と本人との関係
復代理人は、本人及び第三者に対して、その権限の範囲内において、代理人と同一の権利を有し、義務を負うから、委任による代理人が選任した復代理人は、委任事務の処理に必要と認められる費用を支出したときは、本人に対し直接その償還を請求することができる。
署名代理と代理行為の効力
代理人が本人の名を示して「本人の代理人」と署名する方法によって代理行為をする場合において、その署名を代理人が補助者に命じてさせたときであっても、代理行為の効果は本人に帰属する。
代理人が詐欺を受けた場合の取消権者
代理人が相手方から詐欺を受けて意思表示をした場合、意思表示の瑕疵は代理人について判断されるが、その意思表示の効果は本人に帰属するから、本人が当該意思表示を取り消すことができる。
復代理人の顕名の方法
復代理人は本人を代理するものであるから、復代理人が相手方に対し本人のためにすることを示せば足り、自らが代理人によって選任された復代理人であることまで示さなくても、本人に代理行為の効果が帰属する。