条文・判例・学説を体系的に整理
家裁選任の不在者財産管理人の権限消滅
家庭裁判所が不在者の財産の管理について必要な処分として管理人を選任した場合、その後、不在者が自ら財産を管理することができるようになっても、管理人の権限は、家庭裁判所の取消しがない限り、当然には消滅しない。
不在者の意義
不在者とは、従来の住所又は居所を去った者をいい、その所在が分からないことは要件ではない。
不在者の生死不明と選任管理人の改任
不在者が管理人を置いた場合において、その不在者の生死が明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、管理人を改任することができる。
不在者の選任した管理人への保存処分
家庭裁判所は、不在者が置いた管理人に対しても、不在者の財産の保存に必要と認める処分を命ずることができる。
不在者の生存判明と管理人の権限外行為
不在者が置いた管理人が、不在者の定めた権限を超える行為をするのに家庭裁判所の許可を得ることができるのは、不在者の生死が明らかでない場合に限られ、不在者の生存が明らかな場合には、この規定による許可を得ることはできない。
不在者財産管理人の不動産処分と家裁許可
不在者の財産管理人が不在者の不動産を売却するには、家庭裁判所の許可を得なければならない。
不在者財産管理人の遺産分割と家裁許可
家庭裁判所が選任した不在者の財産管理人が、不在者に代わって遺産分割協議をするには、権限外行為として家庭裁判所の許可を要する。
不在者財産管理人による贈与と家裁許可
不在者の財産管理人が不在者の財産を第三者に贈与するには、家庭裁判所の許可を得なければならない。
不在者財産管理人の預金預入と保存行為
不在者の財産管理人が不在者の現金を不在者名義の預金口座に預け入れる行為は、民法103条の権限の範囲内の行為であり、家庭裁判所の許可を要しない。
不在者財産管理人による弁済
不在者の財産管理人が不在者の弁済期が到来した債務を弁済することは保存行為に該当し、家庭裁判所の許可を要しない。
不在者財産管理人の権限外行為
家庭裁判所が選任した不在者の財産の管理人は、不在者を被告とする土地明渡請求訴訟の第一審において不在者が敗訴した場合、家庭裁判所の許可を得ないで控訴をすることができる。
昭和47年9月1日最高裁第二小法廷民集26巻7号1289頁(建物収去土地明渡請求)
不在者財産管理人未設置時の家裁の処分
不在者がその財産の管理人を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる(民法25条1項)。