条文・判例・学説を体系的に整理
代替的作為義務と行政代執行
使用禁止命令は行政代執行法における「他人が代わってなすことのできる行為」に関するものではないので、行政代執行を行うことはできないが、堆積した物の撤去を命ずる命令であれば行政代執行によって行うことができる。
代執行費用の強制徴収
行政代執行法6条1項は、代執行に要した費用について、国税滞納処分の例により徴収することができる旨を明文で定めている。
行政刑罰と刑事訴訟法の適用
行政上の義務違反に対して科される行政刑罰は刑罰の一種であり、原則として刑事訴訟法が適用される。
執行罰の意義と要件
執行罰は命令による義務の不履行に対して一定額の過料を科すことにより間接的にその履行を強制するものであり、義務が履行されるまで繰り返し徴収することができる点に特徴がある。
執行罰と条例
行政上の義務の履行確保は別に法律で定めるものを除いて行政代執行法の定めるところによるから(同法1条)、法律の根拠なく条例のみで執行罰(過料)を定めて義務の履行を確保することはできない。
平成14年7月9日最高裁第三小法廷民集56巻6号1134頁(建築工事続行禁止請求事件)
不作為義務と代執行の可否
建築工事の中止を命ずる命令は不作為義務を課すものであるから、命令違反に対する罰則が条例に置かれている場合であっても、行政代執行法に基づく代執行によりその義務の履行を確保することはできない。
条例に基づく命令の法的性質
条例に基づき市長が発する建築工事中止命令は罰則の定めがない場合であっても行政指導ではなく行政処分としての法的効力を有する。
平成14年7月9日最高裁第三小法廷民集56巻6号1134頁(建築工事続行禁止請求事件)
条例に基づく命令の法的性質
条例に基づく建築工事中止命令は行政指導の性質を有するにすぎないものではなく法的強制の対象となり得る。
平成14年7月9日最高裁第三小法廷民集56巻6号1134頁(建築工事続行禁止請求事件)
行政上の義務履行確保と民事訴訟
条例に基づく命令に違反する者に対し地方公共団体が工事の続行禁止を求める民事訴訟を提起することは、法規の適用の適正ないし一般公益の保護を目的とするものであって法律上の争訟に当たらない。
平成14年7月9日最高裁第三小法廷民集56巻6号1134頁(建築工事続行禁止請求事件)