A 必須条文民事訴訟法
錯誤の主張と既判力の客観的範囲
売買契約の錯誤を理由とする買主に対する所有権移転登記抹消登記手続請求が、錯誤の要件を欠くとして棄却され確定した後、買主が売主に対して当該売買契約に基づき目的物の引渡しを求める後訴において売主が錯誤の存在を主張することは、前訴の確定判決の既判力に抵触せず許される。
既判力は主文に包含するものに限り生じ(民訴法114条1項)、前提である錯誤の有無は理由中の判断にすぎない。平成29年法律第44号による改正(2020年4月1日施行)前の民法95条は、要素の錯誤がある意思表示を無効としていたが、錯誤の有無に既判力が生じない点は変わらない。
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