条文・判例・学説を体系的に整理
憲法違反と上告理由
憲法の違反があること又は憲法の解釈に誤りがあることは適法な上告理由となる。
判例違反と上告理由
最高裁判所の判例がない場合に、大審院若しくは上告裁判所たる高等裁判所の判例又はこの法律施行後の控訴裁判所たる高等裁判所の判例と相反する判断をしたことは、適法な上告理由となる(刑訴法405条3号)。
量刑不当と職権破棄
単なる量刑不当は適法な上告理由に当たらず、刑の量定が甚しく不当で原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認められることも適法な上告理由とはならないが、上告裁判所が職権で原判決を破棄することができる事由(職権破棄事由)となる。
重大な事実誤認と職権破棄
単なる事実誤認は適法な上告理由に当たらず、判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認があることも適法な上告理由とはならないが、刑訴法411条3号の職権破棄事由として上告審が職権で原判決を破棄することは可能である。
上告審における事実取調べ
上告審は法律審であるが、上告裁判所である最高裁判所は、上告趣意書に包含された事項を調査するについて必要があるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で事実の取調べをすることができる。
刑事の上告審と高等裁判所
刑事事件においては、高等裁判所が上告審として裁判権を有する場合はない。
上告審における事実の取調べ
上告裁判所は、上告趣意書に包含された事項を調査するほか、必要があるときは事実の取調べをすることができる。
刑事上告の上告理由
高等裁判所がした第一審又は第二審の判決に対しては、憲法の違反があること、憲法の解釈に誤りがあること又は最高裁判所の判例と相反する判断をしたことが上告理由となるが、判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認は上告理由とならない。
刑事上告の判例変更による原判決維持
上告裁判所は、第二審の判決が最高裁判所の判例と相反する判断をした場合において、その判例を変更して原判決を維持するのを相当とするときは、これを破棄しなくともよい。
刑事上告の法令違反による職権破棄
上告裁判所は、判決に影響を及ぼすべき法令の違反があって、原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる。
法令違反と上告審の正義による職権破棄
上告裁判所は、上告理由(405条各号)がない場合でも、判決に影響を及ぼすべき法令の違反があって原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる(刑事訴訟法411条1号)。