条文・判例・学説を体系的に整理
行政行為の成立と効力の発生(到達主義)
行政行為は、要件が充足され、行政庁が意思決定をしてこれを表示することによって成立するが、その効力は、相手方に到達し又は了知し得べき状態に置かれた時に発生するのであり、成立と同時に効力が発生するとは限らない。
行政行為の附款と裁量
行政行為の附款は、これを付し得ることが法律に明記されていない場合であっても、法律が当該行政行為について裁量を認めている場合には、その裁量の範囲内で付すことができる。
不当な行政行為の職権取消し
行政庁は、行政行為が当初から不当であるにとどまり違法ではない場合であっても、職権で取り消すことができる。
代執行と条例の根拠
条例によって課された代替的作為義務に違反した者に対し代執行を行うためには、個別の条例に代執行の規定がなくても、行政代執行法に基づいて代執行を行うことができる。
行政行為の効力発生時期
行政行為の効力が生ずるのは、特段の定めのない限り、相手方が現実に当該行政行為を了知したか、当該行政行為が相手方の了知し得べき状態に置かれたときである。
昭和29年8月24日最高裁第三小法廷刑集8巻8号1372頁
行政処分と民事訴訟の関係
原子炉の周辺住民が人格権に基づき原子炉設置の差止めを求める民事訴訟を提起するにはあらかじめ原子炉設置許可の取消し又は無効確認の判決を得ておく必要はない。
平成4年9月22日最高裁第三小法廷民集46巻6号1090頁(原子炉設置許可処分無効確認等)
行政行為の公定力
行政処分は、たとえ違法であっても、その違法が重大かつ明白で当該処分を当然無効ならしめるものと認むべき場合を除いては、適法に取り消されない限りその効力を有する。
昭和30年12月26日最高裁第三小法廷民集9巻14号2070頁(耕作権確認並耕地引渡請求)
特許無効理由と民事裁判所
特許の無効審決が確定する以前であっても、特許権侵害訴訟を審理する裁判所は、特許に無効理由が存在することが明らかであるか否かについて判断することができる。
平成12年4月11日最高裁第三小法廷民集54巻4号1368頁(債務不存在確認請求事件)
食品営業許可の条件と料金事前承認
食品衛生法の営業許可の条件は衛生上の目的に必要な範囲に限られ、メニュー料金の事前承認という条件は付せない。