条文・判例・学説を体系的に整理
デジタル庁の設置(内閣に置かれる)
デジタル庁は、内閣府の外局ではなく、内閣に置かれる機関として設置されている。
府省外局の委員会の職権行使の独立性
内閣府・省の外局として設置されている委員会は、大臣の所轄の下に置かれるが、個別の設置法により職権行使の独立性が保障されている。
独立行政法人・国立大学法人職員の身分
独立行政法人の役員及び職員が国家公務員とされるのは行政執行法人に限られ(独立行政法人通則法51条)、国立大学法人の役員及び職員は国家公務員とされず、刑法その他の罰則の適用についてのみ法令により公務に従事する職員とみなされる(国立大学法人法19条)。
上級行政庁の代執行と法律の根拠
下級行政庁が権限の行使をしない場合に、上級行政庁が下級行政庁に代わって権限を行使すること(代執行)は、一般的な指揮監督権に基づくものとしては許されず、法律の根拠を要する。
独立行政法人の役職員と国家公務員
独立行政法人の役員及び職員が全て国家公務員とされているわけではなく独立行政法人の種類によって国家公務員でない者もいる。
行政調査担当職員による刑事告発
判例は、法人税法上の質問検査の権限の行使に当たって取得収集される証拠資料が後に犯則事件の証拠として利用されることが想定できたとしても、そのことによって直ちに、質問検査の権限が犯則事件の調査あるいは捜査のための手段として行使されたことにはならないとした。
平成16年1月20日最高裁第二小法廷刑集58巻1号26頁(法人税法違反被告事件)
国家行政組織法と組織規制
国家行政組織法においては、官房、局及び部の設置は法律によらず政令で定めることができるとされている。
委託と委任の区別
市が民間事業者との間で住民票の写しの交付を委託する契約を締結した場合、市長は住民票の写しを交付する権限の一部を当該事業者に委任したことにはならない。
権限の委任と専決
権限の委任は法律上定められた処分権限の帰属を変更することから法律の根拠を必要とするのに対し、専決は補助機関が処分権限のある行政庁の名義でこれを行使するものであり処分権限の移譲を伴わないことから法律の根拠を必要としない。
審議会の構成員
国家行政組織法8条の合議制の機関について、当該機関で審議する政策と利害関係を有する者又はその利益代表者をその構成員として任命することは、同条の趣旨に違反するものではなく、行政の中立性原則に反するものでもない。
独立行政法人の設立目的
国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体に委ねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるものについては、独立行政法人を設立し、その事務を効率的かつ効果的に行わせる場合がある。
私的諮問機関
大臣は、法令の根拠がなくても、有識者の意見を聴くための私的諮問機関(懇談会等行政運営上の会合)を開催することができるが、それは審議会等とは異なり、行政運営上の意見交換・懇談の場にとどまる。
審議会等の議決による行政庁の法的拘束
国家行政組織法8条に基づく審議会等の中には、電波監理審議会のように、その議決により行政庁が裁決をしなければならず、議決が行政庁を法的に拘束するものがある。
独任制と合議制の行政庁
行政庁は国や地方公共団体の意思を決定し対外的に表示する権限を有する機関であり、独任制のものに限られず、公正取引委員会や収用委員会のように合議制のものも存在する。
建築確認の指定機関の行政庁性
国土交通大臣等の指定を受けた指定確認検査機関が行う建築確認は建築主事の確認とみなされ、その事務は地方公共団体の事務に属するが、指定確認検査機関は、当該確認に関しては、これを自己の名で行う行政庁に当たる。
平成17年6月24日最高裁第二小法廷集民217号277頁(訴えの変更許可決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件)
上級行政庁の代執行権と法律の根拠
上級行政庁が下級行政庁の権限を代わって自ら行使する代執行権は、一般的な指揮監督権から当然に認められるものではなく、法律に特に明文の規定がある場合にのみ認められる。
権限委任後の指揮監督関係の存続
法律の規定に基づく権限の委任により権限が受任行政庁に移っても、上級行政庁は下級行政庁を指揮監督することが依然として可能であり、権限の行使に関する指揮監督関係がなくなるわけではない。
上級行政庁の取消停止を命ずる監督権
上級行政庁の下級行政庁に対する指揮監督権には、一般に、下級行政庁の行った違法・不当な行為の取消し又は停止を当該下級行政庁に命ずる権限も含まれる。
審議会等と委員会の区別
国家行政組織法上、法制審議会等の各種審議会は「審議会等」として位置付けられ、中央労働委員会、公害等調整委員会等の「委員会」とは区別されている。
法定代理の分類
行政庁が欠けたとき又は事故があったときに他の行政機関が権限を代行する法定代理には、本来の行政庁があらかじめ指定しておいた機関が代理権をもつ指定代理と、法律の定める機関が代理権を当然に行使する狭義の法定代理とがある。