条文・判例・学説を体系的に整理
国民投票無効訴訟の管轄裁判所
国民投票に関し異議がある投票人は、中央選挙管理会を被告として、告示の日から30日以内に、東京高等裁判所に訴訟を提起することができる。
憲法改正原案の発議に必要な賛成議員数
国会法によれば、憲法改正原案の発議には、衆議院においては議員100人以上、参議院においては議員50人以上の賛成を要し、法律案を発議する場合(衆議院20人以上、参議院10人以上)よりも賛成議員数が加重されている。
憲法と条約の関係
憲法と条約の関係につき憲法優位説の立場からは日本国が締結した条約を誠実に遵守することを必要とする旨規定する憲法98条2項について有効に成立した条約の国内法的効力を認めその遵守を強調したものであると考えることになる。
条約と憲法の優劣
憲法98条1項は憲法が国の最高法規であることを規定し、同条2項は日本国が締結した条約及び確立された国際法規の誠実な遵守を規定しており、憲法と条約の優劣関係については、政府見解(条件付き憲法優位説)は憲法が条約に優位するとし、判例も条約の憲法適合性を問題とするから憲法優位説を前提としているとされる。
条約の国内法的効力と国際人権条約の参照
条約の国内法的効力は憲法に劣るという立場をとるならば、裁判所が、立法事実の存否を判断するための資料として、国際人権条約を参照することは許される。
条約と憲法の優劣
条約と憲法の効力関係については、憲法優位説が学説上の多数説であり、憲法優位説によれば、憲法に違反する条約は国内法的効力を有しない。
憲法改正国民投票の過半数の解釈
憲法改正は改正案が国民に提案され国民投票が行われその過半数の賛成で承認されるのでなければ成立しないが、「過半数」の意味について有権者総数の過半数、無効投票を含めた投票総数の過半数及び有効投票総数の過半数の三説があり、有権者総数の過半数説に対しては棄権者が全て改正案に反対の意思と評価されてしまう点で妥当ではないとの批判がある。
憲法優位説の根拠
憲法優位説は、条約の締結手続が憲法に基づいて定められていること及び条約の承認手続と比べ憲法改正手続がより厳格であることを根拠に、憲法が条約に優位するとする。
条約優位説の論拠
条約優位説は、憲法81条の違憲審査権の対象に「条約」が明記されていないことを、憲法が条約との関係で必ずしも最高法規でないことを示すものと解する。
改正手続の厳格性と効力序列
憲法改正手続が条約の承認手続より厳格であることは、形式的効力において憲法が条約に優位することの根拠となるとされる。
基本的人権と最高法規性の実質的根拠
憲法97条は基本的人権を侵すことのできない永久の権利として位置付けており、憲法の最高法規性を実質的に根拠付けるものと解される。
憲法優位説と違憲条約の効力
憲法と条約の効力関係に関する憲法優位説によれば、条約を違憲審査の対象とし得るが、適式な手続を経て締結されたある条約が違憲と判断された場合でも当該条約の国際法上の効力は失われないため、我が国は依然として当該条約を履行する義務を負うこととなる。
憲法98条と法令の効力
憲法98条1項は憲法が国の最高法規であることを定め、憲法に反する法律・命令・詔勅等は効力を有しないと規定する。
憲法98条2項と条約の遵守義務
憲法98条2項が遵守を求める「確立された国際法規」の意義を「国際社会において一般に承認されている成文・不文の国際法規」と解する説に立てば、我が国が締結していない条約に規定されている事項であっても、それが一般に承認された国際法規に当たる限り同条項が定める遵守義務の対象となり得る。
憲法改正の限界説
憲法改正に限界があるとする見解は、憲法改正権は憲法制定権力により制度化された権限であって制定権力そのものとは異なるから、憲法の基本原理を変更することは許されないとする。
憲法制定権力と憲法改正権の同質性論
憲法を始源的に創設する憲法制定権力と憲法によって与えられた憲法改正権とが同質であるとの見解は、憲法改正に理論上の限界はないとする無限界説の根拠となり得る。
憲法改正の発議要件
憲法96条1項は各議院の総議員の3分の2以上の賛成で国会がこれを発議し、国民に提案してその承認を経なければならないと定めている。
憲法改正の公布と「直ちに」の趣旨
憲法96条2項は、国民の承認を経た憲法改正について、天皇が国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布すると定めており、「直ちに」とは事情の許す限り速やかにという意味であるから、公布を恣意的に遅らせてはならない。
憲法改正規定と違憲審査制
憲法の連続性を維持するための特別な手続を定める憲法改正規定や憲法の最高法規性を確保するために特別な合憲性統制の途を設ける違憲審査制は、ともに憲法の保障の一つの方法として位置付けられる。
条約と憲法の優劣
条約の効力は憲法の効力に優位するとの見解によれば、条約締結権に関する憲法の規定は、条約の効力の根拠を定めたものではないことになる。