B 重要判例民法
請負報酬債権と修補に代わる賠償の相殺
請負人の注文者に対する報酬債権と注文者の請負人に対する目的物の修補に代わる損害賠償債権とは、同時履行の関係にあり、双方の債権額が異なる場合であっても、相殺することが許され、請負人が報酬債権を自働債権とし注文者の損害賠償債権を受働債権として相殺することもできる。
最判昭和53年9月21日(集民125号85頁)は、両債権は同一の原因関係に基づく金銭債権であり、相殺を認めても相手方に抗弁権の喪失による不利益を与えないとした。この理由は相殺する当事者の向きを限定していない。判決当時は改正前634条2項が533条を準用していたが、2020年4月1日施行の改正で634条2項は削られ、現行の533条が、相手方の債務の履行に債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含むと定めている。
昭和53年9月21日最高裁第一小法廷集民125号85頁(損害賠償及び請負代金)
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