司法試験短答式過去問演習

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2019年 司法試験予備試験 一般教養

42問中20問選択(1問3点・60点満点)

第8問配点 3点

真理の探究は,哲学の目的の一つであり,その真理をめぐっては,さまざまな考え方が生まれている。以下の文章は,西洋哲学における哲学者たちの真理についての考えを説明したものである。下線部の記述に誤りがあるものを,次の1から5までの中から選びなさい。(解答欄は,[№8])
1. プロタゴラスは,「万物の尺度は人間である,あるものについてはあるということの,あらぬものについてはあらぬということの」と述べ,真理の相対性を指摘した。この考え方によると,同じ風が,ある人にとっては暖かく,ある人にとっては冷たく感じられるように,風のあり方はそれを感じる人との関連で成立し,風自体が暖かいとか冷たいとかいうことはできない。
2. デカルトは,確実な真理を見つけるためにあらゆるものを徹底的に疑い,その結果導き出されたのが,「われ思う,ゆえにわれあり」という根本原理である。すなわち,全てを疑った上でも疑い得ない確実な真理は,まさにそのように疑っている私自身が存在していることである,とデカルトは説いた。
3. ヘーゲルは,「真理は全体である」と説いた。彼によれば,真理とは,不変不動なものではなく,否定的なものを媒介にしながら弁証法的に発展していく,動的なものの全体である。そこでは,矛盾は真理の対立概念ではなく,真理の運動の原動力になる。
4. ニーチェは,「真理とは何か?おそらくは,生の条件となっている一種の信仰ではなかろうか?」と述べ,絶対的な真理とされているものは,弱者を生存させるために作り出された虚構であるとした。ニーチェのこの考えによると,人間の生存に深く結びついている誤謬は,それがゆえに他の誤謬よりもそれを根絶することが困難なのである。
5. ジェームズは,「観念というものはそれを信じることがわれわれの生活にとって有益である限りにおいて『真』である」と述べて,真理を有益性と関連づけた。この考えに従い,ジェームズは,「神が存在する」という命題は,人間が生活する上での有益性を見いだすことができないため,真理であるとは言えないとした。