司法試験短答式過去問演習

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2012年 司法試験 公法系科目

第35問配点 3点

普通地方公共団体であるA市においては,観光の振興のために,宗教法人Bの主宰により長年にわたり行われている行事と提携する事業が企画されたが,A市の住民であるXは,この事業の内容については政教分離の原則等との関係で慎重に検討すべき問題があると考えている。このような場合において,Xが地方自治法(以下「法」という。)第242条の2第1項の規定に基づいて提起する住民訴訟に係る各事例に関する次のアからエまでの各記述(いずれにあっても,各記述に係るもの以外の訴訟要件については問題はなく,権限の委任についての定めもないものとする。)について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[№71]から[№74])
ア. A市の市長Cが宗教法人Bの主宰する行事に特定の日時に出席することが予定されている事例において,Xは,当該出席行為に伴う公金の支出その他の法の定める財務会計上の行為について,法第242条の2第1項第1号の規定に基づき,その差止めを求める住民訴訟を,適法に提起することができる。[№71]
イ. 問題とされる事業に関して公金の支出を内容とする処分がされた事例において,Xは,当該処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に当たるか否かにかかわらず,法第242条の2第1項第2号の規定に基づき,その取消しを求める住民訴訟を,適法に提起することができる。[№72]
ウ. A市から町内会Dが貸付けを受けていた土地の上に宗教法人Bの礼拝の施設が存在する事例において,Xは,法第242条の2第1項第3号の規定に基づき,市長Cが町内会Dに上記の施設が存在する状態の解消を求めること等の当該土地の管理を怠る事実の違法確認を求める住民訴訟を,適法に提起することができる。[№73]
エ. 町内会DがA市から貸付けを受けていた土地の貸付料の支払を滞っていた事例において,Xは,法第242条の2第1項第4号本文の規定に基づき,市長Cが町内会Dに契約による債務の履行としての貸付料の支払を請求することを求める住民訴訟を,適法に提起することができる。[№74]
(参照条文)地方自治法
第242条の2普通地方公共団体の住民は,前条(注:住民監査請求)第1項の規定による請求をした場合において,同条第4項の規定による監査委員の監査の結果(中略)に不服があるとき(中略)は,裁判所に対し,同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき,訴えをもつて次に掲げる請求をすることができる。
一当該執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求
二行政処分たる当該行為の取消し又は無効確認の請求
三当該執行機関又は職員に対する当該怠る事実の違法確認の請求
四当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを当該普通地方公共団体の執行機関又は職員に対して求める請求。(以下略)2~12(略)