条文・判例・学説を体系的に整理
第三者による選択債権の選択の相手方
債権の目的が数個の給付の中から選択によって定まる場合において、第三者が選択をすべきときは、その選択は、債権者又は債務者に対する意思表示によってする。
選択債権の選択の遡及効
債権の目的が数個の給付の中から選択によって定まる場合において、選択が行われたときは、その選択は、債権の発生の時にさかのぼってその効力を生ずる(ただし、第三者の権利を害することはできない)。
種類物引渡しの強制執行の方法
動産の引渡しを命ずる債務名義による強制執行は、執行官が債務者からこれを取り上げて債権者に引き渡す方法により行い、代替執行の方法によることはできない。
外国通貨で額を指定した金銭債権の請求
外国の通貨で債権額が指定された金銭債権の債権者は、債務者に対し、外国の通貨又は日本の通貨のいずれによっても請求することができる。
昭和50年7月15日最高裁第三小法廷民集29巻6号1029頁(連帯保証債務金請求)
選択債権における給付の不能と特定
債権の目的である給付の中に不能のものがある場合において、その不能が選択権を有する者の過失によるものでないときは、債権は残存する給付に特定しない。
支分権としての利息債権の譲渡
支分権としての利息債権は、既に発生したものであれば、元本債権から分離して譲渡することができる。
利息債権の独立性
元本債権が消滅したとしても、弁済期が到来した利息債権は、当然には消滅しない。
金銭に見積もれないものと債権の目的
金銭に見積もることができないものであっても、債権の目的とすることができる。
制限種類債権の特定と履行不能
当該倉庫内の米のうち1トンの引渡しを受ける旨の制限種類債権は、当該倉庫内の米が全て滅失したときは、履行不能となる。
種類債権の特定と発送
履行場所の別段の定めがない種類債権が持参債務となる場合、目的物は債務者が債権者の住所で現実に提供した時に特定し、分離・通知や発送だけでは特定しない。
昭和30年10月18日最高裁第三小法廷民集9巻11号1642頁(手附金請求)
弁済期後の利息債権の元本からの分離譲渡
弁済期が到来した利息債権(支分権としての利息債権)は、元本債権から分離して譲渡することができる。
特定物引渡義務者の善管注意保存義務
特定物の引渡しを目的とする債権の債務者は、その引渡しをするまで、善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない(民法400条)。
外貨債権の任意弁済
外国の通貨で債権額を指定したときであっても、債務者は、日本の通貨で弁済をすることができる。
選択債権の原則的な選択権者
債権の目的が数個の給付の中から選択によって定まるときは、その選択権は、特約のない限り、債務者に属する(民法406条)。
給付不能による選択債権の特定
選択債権の給付の一部が不能でも、不能が選択権者の過失による場合に限り、残存給付に特定する。
取立債務の確定期限と履行遅滞
取立債務については、確定期限が到来しても、債権者が取立行為をしない(債務者の履行の提供の機会が与えられない)間は、債務者は履行遅滞の責任を負わない。
詐害行為取消しによる支払債務の遅滞
詐害行為取消しによる受益者の受領金支払債務は、期限の定めのない債務であり、履行の請求を受けた時に遅滞に陥る(詐害行為取消判決の確定時に遅滞に陥るのではない)。
平成30年12月14日最高裁第二小法廷民集72巻6号1101頁(旧取締役に対する損害賠償,詐害行為取消請求事件)
返還時期の定めのない消費貸借と催告
返還の時期を定めなかった消費貸借において、貸主が相当の期間を定めて返還の催告をしたときは、借主はその期間経過時から遅滞の責任を負い、貸主が相当の期間を定めないで催告をしたときは、催告の後相当の期間を経過した時から遅滞の責任を負う。
受領不能時の目的物保存の注意義務
買主が目的物を受領することができない場合、売主は履行の提供をした時から引渡しが完了するまで自己の財産に対するのと同一の注意をもって目的物を保存する義務を負う。
受領不能時の保管費用の負担
買主が目的物を受領することができないため売主が保管を続ける場合、その受領不能によって増加した保管費用は買主の負担となる。