条文・判例・学説を体系的に整理
心裡留保と相手方の認識
表意者がその真意ではないことを知って意思表示をした場合において、相手方が表意者の真意を具体的に知らなくても、その意思表示が表意者の真意ではないことを知り又は知ることができたときは、その意思表示は無効である。
心裡留保の無効と第三者
心裡留保による意思表示の無効は、善意であるが過失がある第三者に対しても対抗することができない(民法93条2項は善意の第三者を保護し、善意無過失は要件としない)。
心裡留保の原則有効
意思表示が表意者の真意ではないことを表意者自身が知っていた場合であっても、相手方がそのことを知り、又は知ることができたのでなければ、その意思表示は有効である。
心裡留保の無効と相手方の認識可能性
心裡留保による意思表示は、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは無効であり、相手方に重大な過失があることまでは要しない(民法93条1項ただし書)。
婚姻意思を欠く届出の無効
婚姻は、当事者間に真に社会観念上夫婦と認められる関係の設定を欲する効果意思がなければ無効であり(民法742条1号、最判昭44.10.31)、表意者が内心と表示の食い違いを知りながら届出をした場合でも、相手方保護のために有効とされることはない。
昭和44年10月31日最高裁第二小法廷民集23巻10号1894頁(婚姻無効確認本訴並びに反訴請求)
心裡留保による無効と善意の第三者
表意者が真意でないことを知りながらした意思表示は、相手方がそれを知り又は知ることができたときは無効となるが、その無効は善意の第三者に対抗することができない。