条文・判例・学説を体系的に整理
生存する失踪宣告者の宣告後の法律行為
失踪の宣告は死亡を擬制するにとどまり、実際に生存している失踪者の権利能力・行為能力を失わせないから、失踪宣告を受けた者が別の場所で生存していて失踪宣告の後にした不動産の売却は、有効である。
推定相続人による失踪宣告の請求
不在者の推定相続人は、家庭裁判所に失踪宣告の請求をすることができる。
失踪宣告と法律行為
失踪宣告は不在者を死亡したものとみなす制度にすぎず本人の権利能力を奪うものではないから、失踪宣告を受けた者が失踪宣告中に行った法律行為は、相手方の善意悪意を問わず当然に効力を有する。
失踪宣告取消し後の財産返還
失踪宣告が取り消された場合、失踪宣告によって財産を得た者は、失踪者の生存につき善意であれば、財産を得ることによって受けた利益のうち現に利益を受けている限度でのみ失踪者に返還すれば足りる(民法32条2項)。
失踪宣告と本人の行為の効力
失踪宣告は失踪者の権利能力を消滅させるものではなく、失踪宣告後に本人が生存中にした法律行為は失踪宣告の取消しがなくても有効である。
普通失踪の死亡時期
不在者の生死が7年間明らかでないときの失踪宣告においては、7年間の期間が満了した時に死亡したものとみなされる。
特別失踪の死亡時期
戦地に臨んだ者、沈没した船舶中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者についての失踪宣告では、その危難が去った時に死亡したものとみなされる。
失踪宣告取消しと双方善意
失踪宣告の取消しがあった場合において失踪宣告後その取消し前に善意でした行為はその効力を失わないが、善意は当事者双方について必要である。
昭和13年2月7日大審院第一民事部民集17巻59頁(所有権取得登記並抵当権設定登記抹消登記手続請求事件)
失踪者の死亡と失踪宣告の取消し
失踪宣告を受けた者が失踪宣告の取消しがされないまま実際に死亡した場合であっても失踪宣告を取り消すことができる。