司法試験論文式過去問演習

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2026年 司法試験 論文式 国際関係法(公法系) 第2問

問題

配点 50点

〔第2問〕(配点:50)

A国では、α党所属の国会議員が議席の約9割を占め、約1割がβ党所属の議員である。α党は近年、反政府抗議デモを厳しく取り締まるなど強権的な政治を進めており、β党は政治活動の自由を始めとする人権保障や民主制を強く訴えている。α党党首のXは、A国大統領に就任して以降、A国の政治・経済・社会からβ党員を排除しようとし、β党員への弾圧を開始した。

β党員であるA国国民のYは、人権保障や民主制を訴えるデモに度々参加するなど活発に活動してきたところ、地元当局からα党への転向を繰り返し求められ、それを断るとA国官憲から意識を失うほどの暴行を何度も受けた。A国官憲によるβ党員に対するこうした暴行は、A国全土で行われている。その後Yは、隣国であるB国に入国し、現在B国国内において難民申請を行おうとしている。

β党員の一部は、A国国内で反政府組織「β自由戦線」を設立し、A国政府に対する武装闘争を開始した。B国は、A国政府を打倒することを目的として、β自由戦線を支援するために武器の供与を開始した。A国は、B国によるβ自由戦線への武器の供与が国際連合憲章(以下「国連憲章」という。)に規定される武力行使禁止原則に違反すると主張したが、B国はその違法性を否定した。

A国及びB国はいずれも国際連合(以下「国連」という。)の加盟国であり、難民の地位に関する条約(以下「難民条約」という。)及び難民の地位に関する議定書の当事国である。

以上の事実を基に、以下の設問に答えなさい。

〔設問1〕

Yが難民条約の適用を受ける難民(難民の地位に関する議定書の規定により難民条約の適用を受ける難民を含む。)に該当するかについて論じなさい。なお、難民条約が難民の定義に関して設けている時間的及び地理的制約について論じる必要はない。

〔設問2〕

B国のβ自由戦線への武器供与が国連憲章に規定される武力行使禁止原則に違反するかについて論じなさい。なお、違法性阻却事由について論じる必要はない。

〔設問3〕

A国及びB国は、国際司法裁判所規程第36条第2項に基づき、国際司法裁判所(以下「ICJ」という。)の管轄権を受諾する宣言(以下「選択条項受諾宣言」という。)を行っているが、B国は、「多数国間条約の下で生ずる紛争」には選択条項受諾宣言が適用されない旨を国連事務総長に通告している。A国は、B国によるβ自由戦線への武器供与に関するB国との紛争をICJに付託することを検討しているが、B国は、当該紛争は国連憲章の下で生ずる紛争に当たるためICJは管轄権を有しないと主張している。B国との紛争について、ICJが管轄権を有すると主張するために、B国の主張に対してA国はどのような反論を行うことが考えられるかについて論じなさい。

出典:法務省「2026年司法試験論文式試験問題」。原本PDFから本文・表・図を抽出し、字下げ・下線・枠などの体裁を保ったまま、画面の幅に合わせて折り返しています。