2013年 司法試験 論文式 租税法 第1問
問題
配点 40点[租 税 法]
〔第1問〕(配点:40)
S市に住むAは,S地方裁判所から,裁判員候補者として呼出しを受けた。Aは,職場の上司であるBに対し,「このたび,裁判所から呼出しがありました。休暇を取らせてください。」と依頼した。Bは,「了解しました。大事なことですから,安心して行きなさい。」と応じた。
裁判員を選任する手続の期日は,平成25年1月21日(月曜日)に指定されていた。同日の朝,Aは,自宅からバスと電車を乗り継いで,S地方裁判所に出頭した。当日の手続によりAは裁判員に選任され,直ちに翌日から公判が開始されることになった。Aの自宅からS地方裁判所まではかなりの距離があり,交通機関の乗換えの便も悪かったため,帰宅はかなり遅くなったが,Aは何とかその日のうちに自宅に戻った。
Aは帰宅後,裁判員に選任されたことをBに電話で説明し,さらに休暇を取得した。S地方裁判所でAの合議体が取り扱うこととなった事件は,連日開廷の下で審理が行われ,平成25年1月25日(金曜日)に判決が言い渡された。この間のAの裁判員としての職務従事日数は計4日である。Aは,自宅とS地方裁判所の間を連日往復することに体調面で不安があったこと,期日が連続していたこと,及び,同居する老親の同意を得られたことから,裁判員としてS地方裁判所に通っていた間,S地方裁判所付近のビジネスホテルで3泊し,ホテル代を支出した。
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(以下「裁判員法」という。司法試験用法文を参照。)の下で,裁判員候補者及び裁判員は期日に出頭する義務を負い,裁判員は審理に立ち会う職務を担う。裁判員は,特別な知識,能力,経験等を要件とせず国民一般から無作為に抽出された者の中から選任され,一定の事由に該当しない限りは,その辞退を申し立てることができない。正当な理由がなく出頭しないときは過料に処することとされている。また,裁判員は,独立してその職権を行うこととされている。
裁判員候補者や裁判員である者には,裁判員法において,旅費,日当及び宿泊料を支給することとされている(裁判員法第11条,第29条第2項)。Aは,平成25年2月に,裁判員法に基づき,裁判員候補者として出頭したことにつき旅費及び日当の支給を,裁判員として出頭し計4日間職務に従事したことにつき旅費,日当及び宿泊料の支給を,それぞれ銀行振込によって受けた。
〔設 問〕
Aが裁判員候補者及び裁判員として支給を受けた旅費,日当及び宿泊料,並びに,Aが支出したホテル代は,所得税法の適用上,どのように扱われるか。所得税法の根拠条文を摘示して説明しなさい。
出典:法務省「2013年司法試験論文式試験問題」。原本PDFから本文・表・図を抽出し、字下げ・下線・枠などの体裁を保ったまま、画面の幅に合わせて折り返しています。