司法試験論文式過去問演習

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2011年 司法試験 論文式 知的財産法 第1問

問題

配点 50点

[知的財産法]

〔第1問〕(配点:50)

Aは,物の発明αについて,日本の特許権(以下「本件特許権」という。)及び甲国の特許権(以下「甲国特許権」という。)を有している。Aは,日本でも甲国でも,その有する特許権の実施料収入を得るほかは,事業活動を全く行っていない。日本においては,Aは,本件特許権について,Bに対して東日本地域における独占的通常実施権を許諾し,Cに対して西日本地域における独占的通常実施権を許諾している。BとCは,いずれも発明αの実施品を製造販売している。他方,甲国においては,Aは,甲国特許権について,Dに対して発明αの実施を独占的に許諾している。AとDの間の実施許諾契約では,Dが発明αの実施品を販売する地域を甲国に限ること,その実施品には「甲国外への輸出を禁止する」という表示を付すこと,直接の販売先には甲国外に輸出しないことを同意させること,がいずれもDに義務付けられている。Dは,甲国内において,発明αの実施品を製造し,これをEに販売している。

以上の事実関係を前提として,以下の設問に答えよ。

〔設 問〕

1.Bは秋田県において発明αの実施品を製造販売し,Fがこれを購入して岡山県において販売している。Aは,Fに対して差止請求をすることができるか。

2.Bは宮崎県において発明αの実施品を製造販売し,Gがこれを購入して鹿児島県において販売している。AがGに対して差止請求をした場合,これに対するGの反論としていかなる主張が考えられるか。

3.EはDから購入した発明αの実施品を日本に輸出し,Hがこれを購入して高知県において販売している。

⑴ Dが,Aとの契約に違反して,その製造する発明αの実施品に「甲国外への輸出を禁止する」という表示を付していなかった場合,Aは,Hに対して差止請求をすることができるか。

⑵ Dは,Aとの契約に従い,その製造する発明αの実施品に「甲国外への輸出を禁止する」という表示を付していたが,Eがその表示を抹消した上でHに販売している場合,Aは,Hに対して差止請求をすることができるか。

4.上記3.のHの行為が本件特許権の侵害となるとした場合,A及びCは,Hに対して,特許法第102条第1項,第2項又は第3項を用いて損害額を算定してその賠償を請求することができるか。

出典:法務省「2011年司法試験論文式試験問題」。原本PDFから本文・表・図を抽出し、字下げ・下線・枠などの体裁を保ったまま、画面の幅に合わせて折り返しています。