司法試験論文式過去問演習

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2010年 司法試験 論文式 知的財産法 第1問

問題

配点 50点

[知的財産法]

〔第1問〕(配点:50)

甲及び乙は,物の発明であるα発明について,2005年2月3日に特許出願を行い,2007年5月14日に特許権の設定登録を受け,現在,同特許権を共有している。α発明は,構成要件A,B及びCから成るものである。丙は,2008年8月20日から,a,b’及びcの構成を有する製品(以下「イ号製品」という。)と,a,b及びc’の構成を有する製品(以下「ロ号製品」という。)を製造販売している。aは構成要件Aを充足し,bは構成要件Bを充足し,cは構成要件Cを充足するが,b’は構成要件Bを充足せず,c’は構成要件Cを充足しない。もっとも,イ号製品及びロ号製品のいずれにおいても,α発明の目的を達することができ,同一の作用効果を奏する。丁は,2009年10月1日から,ロ号製品と同一の製品(以下「ハ号製品」という。)を製造販売している。

以上の事実関係を前提として,以下の設問に答えよ。

〔設 問〕

1.a,b’及びcの構成は,2005年2月3日の時点における公知技術と同一ではなく,α発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が同日の時点において公知技術から容易に推考できたものでもなかったが,戊により2003年10月6日に行われ,2005年4月6日に出願公開された特許出願の願書に最初に添付した明細書に記載されていた。丙のイ号製品の製造販売に対する,甲の差止請求は認められるか。

2.α発明における構成要件Cをc’に置き換えることは,2008年8月20日の時点では当業者が容易に想到することができるものではなかった。しかしながら,ロ号製品を解析すれば,それがa,b及びc’の構成を有するものであることは格別の困難なく知ることができた。丙のロ号製品の製造販売及び丁のハ号製品の製造販売に対する,甲の差止請求は認められるか。

3.丁のハ号製品の製造は乙の依頼によるもので,丁はその製造したハ号製品すべてを乙に納入しているとする。丁のハ号製品の製造販売に対する,甲の差止請求は認められるか。甲と乙が,甲のみがα発明の実施をすることを合意していた場合は,どうか。

出典:法務省「2010年司法試験論文式試験問題」。原本PDFから本文・表・図を抽出し、字下げ・下線・枠などの体裁を保ったまま、画面の幅に合わせて折り返しています。