司法試験論文式過去問演習

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2009年 司法試験 論文式 国際関係法(私法系) 第2問

問題

配点 50点

〔第2問〕(配点:50)

Xは,日本のS市に本店を置く食品の加工・販売を業とする株式会社であり,日本以外には営業所等を有さない。Xは多くの国から食材を輸入しているが,新たに甲国から冷凍食材の輸入をしたいと考えている。Yは,甲国法に従い設立された会社であって,甲国に本店を有し,専ら甲国において食材の加工・販売を行っており,甲国以外には財産や営業所等を有さない。XがYに取引の開始について打診したところ,YはYのCEO(chief executive officer,最高経営責任者)であるBをXの本社に赴かせ,BはXの代表取締役であるAに対して,Yを売主,Xを買主とする冷凍食材に関する売買契約(以下「本件契約」という。)を締結することを提案した。

〔設 問〕

1.BがYを代表して本件契約を締結することができるか否かは,いずれの国の法で判断すべきか。

2.Bに本件契約の締結権限があるとして,次の問いに答えなさい。

⑴ Xは,外国の会社と契約を締結する場合には,通常,契約書に「当事者はXの本店所在地を管轄する地方裁判所の専属的裁判管轄に服することを合意する」旨の条項を入れている。しかし,Bは甲国の裁判所の専属的裁判管轄に服することに合意するようAに求めている。Bの主張を受け入れた場合の利点と不利な点を,Xの立場に立って説明しなさい。

⑵ AとBは日本の裁判所の専属的裁判管轄に服することに合意したが,本件契約の準拠法については,Aは日本法を,Bは甲国法をそれぞれ主張して最後まで譲らなかった。そのため,AとBは,当事者間で準拠法の合意がないまま,Xの本店で本件契約を締結した。本件契約にはいずれの国の法が適用されるか。

3.Yは,Xに対する本件契約上の代金債権を乙国の金融機関であるT(乙国法に従い設立された会社であって,乙国に本店を有し,日本を含む世界各国に支店を有する。)に譲渡した。TがXに対して日本の裁判所で本件契約上の代金債権の弁済を求めたとすれば,TのXに対する対抗要件は,いずれの国の法で判断されるか。本件契約の準拠法が日本法であるとし,かつ,YとTとの債権譲渡契約の準拠法が甲国法であるとして答えなさい。

出典:法務省「2009年司法試験論文式試験問題」。原本PDFから本文・表・図を抽出し、字下げ・下線・枠などの体裁を保ったまま、画面の幅に合わせて折り返しています。