2009年 司法試験 論文式 知的財産法 第1問
問題
配点 50点[知的財産法]
〔第1問〕(配点:50)
A社とB社は,新型インフルエンザの感染の有無を検査する試薬を共同開発することとし,A社の従業員甲とB社の従業員乙が,共同研究を行い,α試薬を発明した。A社の勤務規則には,従業員が発明をするに至った行為がその職務に属するときは,当該発明についての特許を受ける権利はA社が承継する旨の定めがあった。また,B社の勤務規則にも,これと同様の定めがあった。
以上の事実関係を前提に,以下の各設問に答えよ。ただし,各設問に記載した追加的な事実関係は別個の独立したものである。
〔設問1〕
甲は,α試薬の発明について一緒に特許出願をしようと乙に持ちかけたところ,乙は,乙の特許を受ける権利はB社に帰属するので,特許出願はB社で行いたいと述べた。しかし,甲が甲及び乙の名義で特許出願をすることに固執した結果,甲と乙が共同でα試薬の発明について特許出願をした。
1.A社及びB社は,甲又は乙に対し,どのような請求をすることができるか。また,甲及び乙が前記特許出願について特許権の設定登録を受けた場合はどうか。
2.甲及び乙が前記特許出願について特許権の設定登録を受けた後,B社がα試薬の製造販売を開始した場合,甲は,B社に対し,α試薬の製造販売の差止め及び損害賠償を請求することができるか。
〔設問2〕
甲は,α試薬について,共同研究に関与していなかったA社の同僚の丙に評価を求めたところ,丙は,無断で,α試薬の発明を自己の単独発明として特許出願をした。
甲,乙,A社又はB社は,丙に対し,どのような請求をすることができるか。また,丙が前記特許出願について特許権の設定登録を受けた場合はどうか。
α試薬の発明を自己の単独発明として特許出願をしたのが,丙ではなく,甲であった場合と対比して論ぜよ。
出典:法務省「2009年司法試験論文式試験問題」。原本PDFから本文・表・図を抽出し、字下げ・下線・枠などの体裁を保ったまま、画面の幅に合わせて折り返しています。