司法試験論文式過去問演習

過去問の答案を投稿・採点

2008年 司法試験 論文式 倒産法 第2問

問題

配点 50点

〔第2問〕(配点:50)

次の事例について,以下の設問に答えなさい。設問の各問いは相互に独立したものとして答えなさい。

【事 例】

A株式会社(以下「A社」という。)の従業員B及びCは,平成20年3月31日付けでA社を退職した。退職時にB及びCの給料はすべて支払われていたものの,A社の退職金規程に従えば,Bの退職金額は退職時の月給の5か月分相当額,Cの退職金額は退職時の月給の2か月分相当額であるところ,BにもCにも退職金はまだ支払われていない。A社は同年2月1日に貸金業者Dより500万円を,同日貸金業者Eより300万円を,いずれも弁済期は同年3月31日かつ無担保という約定で,A社の代表取締役Fの個人保証付きで借り入れていた。

〔設 問〕

1. B及びCは,平成20年4月に入ってからFが会社財産の隠匿を始めていると疑っており,退職金の支払を確保するためにA社の財産を保全したいと考えている。Bは,A社について破産手続開始の申立てをすることができるか。また,Cは,A社について破産手続開始の申立てをすることができるか。B及びCの有する権利の破産手続上の地位を明らかにした上で理由を付して説明しなさい。

2. A社について平成20年5月1日に破産手続が開始された後,債権調査期日において,Dが届け出た貸金返還請求権について,既にFが弁済したことを理由に全額について異議が述べられた。以下の⑴⑵のそれぞれの場合に,述べられた異議がDの貸金返還請求権の確定を妨げるかどうかについて,理由を付して説明しなさい。Dの貸金返還請求権にはほかに異議等がないものとする。

⑴ 異議を述べたのは,貸金返還請求権について債権届出をしたEであった。

⑵ 異議を述べたのは,退職金請求権について債権届出をしたBであった。

3. 平成20年4月に入ってからもA社はDに返済をしなかったため,同月7日にDがA社について破産手続開始の申立てをしたところ,この申立てに対する裁判がされる前である同月10日になって,A社は再生手続開始の申立てをした。この場合,A社の破産手続及び再生手続の帰すうについて説明しなさい。

出典:法務省「2008年司法試験論文式試験問題」。原本PDFから本文・表・図を抽出し、字下げ・下線・枠などの体裁を保ったまま、画面の幅に合わせて折り返しています。