司法試験論文式過去問演習

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2008年 司法試験 論文式 租税法 第1問

問題

配点 50点

[租 税 法]

〔第1問〕(配点:50)

A(居住者)は,平成10年に甲土地を代金3000万円で購入し,これを20台の自動車が収容可能な平面駐車場として賃貸していた。Aは平成12年に死亡し,その遺産をB(居住者)ら3人の子が相続した。Bらは限定承認をしなかった。Aの死亡時における甲土地の時価は3300万円であった。

Bら3人の相続人は,相続後直ちに遺産分割協議を行い,甲土地については,Bがほかの共同相続人に対して代償としての金銭(以下「本件代償金」という。)合計1500万円を支払って,これを単独取得すること(いわゆる代償分割)で合意した。Bは,金融機関から2000万円を借り入れ,そこから本件代償金を支払い,甲土地の相続登記を済ませた。登録免許税等この相続登記に要した費用は20万円であった。Bは,上記借入金を平成17年に完済したが,そのときまでに支払った利子の合計額のうち本件代償金の額に対応する金額は130万円に上った。

Bは,甲土地を取得した後は,Aの駐車場経営を引き継がないこととし,甲土地の上に住宅を建て,自己の居住の用に供した。

Bは,平成19年に,甲土地をその上の住宅とともに売却し引き渡した。甲土地の売却価格は5000万円であった。Bは,平成19年分の所得税に係る確定申告において,譲渡所得の金額の計算上,甲土地に係る取得費の額に,①Aが支払った購入代金3000万円,②Bが支払った本件代償金1500万円,③Bが支払った相続登記費用20万円及び④Bが支払った借入金利子のうち本件代償金の額に対応する金額130万円の合計4650万円の各支払金の額を算入した。

以上の事案について,租税特別措置法の適用はないものとした上で,以下の設問に答えなさい。

〔設 問〕

1. Bの平成19年分の所得税に係る確定申告における前記①ないし④の各支払金の取扱いについて,それぞれの適否を論じなさい。その際,それぞれの適否に関する判断理由の中で,必要に応じて,所得税法における譲渡所得課税の趣旨や取得費の意義にも論及しなさい。

2. 前記の事案においてBがAの駐車場経営を引き継ぎ,甲土地をそのまま駐車場として賃貸し続けていたとした場合,前記③の相続登記費用の取扱いがどうなるかについて,所得税法の条文の根拠を摘示して論じなさい。

出典:法務省「2008年司法試験論文式試験問題」。原本PDFから本文・表・図を抽出し、字下げ・下線・枠などの体裁を保ったまま、画面の幅に合わせて折り返しています。