司法試験論文式過去問演習

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2008年 司法試験 論文式 国際関係法(公法系) 第1問

問題

配点 50点

[国際関係法(公法系)]

〔第1問〕(配点:50)

次の事例について,国際判例を踏まえて後記の設問に答えなさい。

A国に派遣されているB国外交官乙が,A国内でA国軍人甲から,金銭と交換に極秘軍事文書を受け取るという計画があった。乙が甲から極秘軍事文書を受け取ることを事前に察知したA国警察当局は,その場に警察官を張り込ませていたところ,甲から乙に極秘文書が受け渡された。それを現認した警察官は,その場で甲,乙両人を「スパイ罪」の容疑で逮捕し,警察施設に拘束した。B国政府は直ちにA国政府に対してA国政府の措置が国際法に反している旨の抗議を行い,乙の即時釈放を要求した。しかし,数日たってもA国政府はB国の釈放要求にこたえずに乙を拘束し続けている。A国政府はB国に対して,公式な声明は出していないが,A国政府高官丙は,記者団に対して,「乙がA国内で重大犯罪を犯した以上,乙がたとえ外交官であっても,真相が解明されるまで,A国警察に拘束されるのは当然である。」と述べた。

〔設 問〕

1. A国政府高官丙の発言について,理由を付して論評しなさい。

2. A国政府は,乙が甲を唆してA国の極秘軍事文書を受け取ったことを現認したが,その場で逮捕しなかった場合,B国及び乙に対して国際法上どのような措置を採り得るかについて,あらゆる可能性を考えて説明しなさい。

3. 乙が拘束され続ける場合には,B国政府は国際法上どのような措置を採ることができるかを,⒜裁判外の措置とその内容,及び⒝裁判上の措置とその内容に分けて説明しなさい。

なお,AB両国は,「相互にその権利を争うすべての紛争は,国際司法裁判所に付託される。」と規定する条約を20年前から結んでいる。

出典:法務省「2008年司法試験論文式試験問題」。原本PDFから本文・表・図を抽出し、字下げ・下線・枠などの体裁を保ったまま、画面の幅に合わせて折り返しています。