司法試験論文式過去問演習

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2007年 司法試験 論文式 倒産法 第1問

問題

配点 50点

[倒 産 法]

〔第1問〕(配点:50)

次の事例について,以下の設問に答えなさい。

【事 例】

A株式会社は,かねてから代表取締役Bの親友であるCの経営するD社に無担保で貸付けをしていたところ,この貸付金の回収が不能になったことから,経営状況が著しく悪化した。いち早くA社が支払不能の状況にあると判断した同社の取引債権者であるE社は,平成19年3月2日,裁判所に対し,A社についての破産手続開始の申立てをし,同月23日,破産手続開始の決定がされ,破産管財人Xが選任された。破産管財人Xは,調査の結果,Bに資産があることが判明したので,A社がD社に対して有する債権のうち回収不能になった3000万円について,Bに対して役員としての損害賠償責任を追及したいと考えている。

他方,E社は,A社に対して500万円の債権を有していたので,A社に対する破産手続において破産債権の届出をしたが,Bの妻であるFは,平成18年10月に当該債権につきE社との間で連帯保証契約を締結していたことから,E社からの求めに応じ,同社が破産債権の届出をした後,当該連帯保証債務の全額につき弁済した。

〔設 問〕

以下の小問1から3までについては,それぞれ独立したものとして解答しなさい。

1.(1) 破産管財人XによるBの責任追及のための手続について説明しなさい。

(2) 破産手続開始前から,D社への無担保の貸付けを理由として,A社の株主GからBに対し,回収不能分である3000万円について,適法に株主代表訴訟(会社法第847条第3項)が提起されていた場合には,破産管財人Xは,Bの責任追及のためにどのように対応すべきか。(1)で説明した手続との関係にも留意しながら解答しなさい。

2. Bは,A社に対し平成17年に2000万円貸し付けたとして,A社に対する破産手続において当該貸付金について破産債権の届出をしたが,取引債権者の多くは,A社の破綻の原因を作ったBが他の破産債権者と同様の配当を受けることに不満を持っている。他方で,Bは,以前から資産をはるかに上回る多額の債務を負っており,近々自己破産の申立てをすると噂されている状況にある。破産管財人Xとしては,Bが届け出た破産債権について,どのように対応することが考えられるか。

3. Fは,破産手続開始の直前まで,A社所有名義の建物につき,A社との間で賃貸借契約を結んで居住していたが,賃料債務については合計600万円が未払状態になっていた。Fは,E社に対する連帯保証債務についての弁済に係る以下の(1)(2)の債権を自働債権,上記賃料債務に係る債権を受働債権として,相殺しようとしている。(1)(2)のそれぞれの場合について相殺は認められるか。

(1) 弁済による代位によって取得した原債権

(2) 求償権

出典:法務省「2007年司法試験論文式試験問題」。原本PDFから本文・表・図を抽出し、字下げ・下線・枠などの体裁を保ったまま、画面の幅に合わせて折り返しています。