2007年 司法試験 論文式 国際関係法(私法系) 第2問
問題
配点 50点〔第2問〕(配点:50)
Yは甲国に主たる事業所を有する世界有数の医薬品製造販売業者である。Yはその製造する医薬品Aを甲国だけでなく,乙国等多くの国においてもそれらの国に所在する事業所を通じて販売している。医薬品Aは日本の薬事法上の承認を受けておらず,Yは,日本に事業所も担当者も置いていない。Xは日本に常居所を有する日本人である。以上の事実を前提として以下の設問に答えよ。
なお,各設問はいずれも独立した問いであり,本件には,法の適用に関する通則法(平成18年法律第78号)が適用されることを前提とする。
〔設 問〕
1. Xは,乙国に赴いた際に,日本では購入できない医薬品Aが売られていたので,乙国でこれを購入した。Xは,日本に帰国後,医薬品Aをしばらく服用していたが,体調が悪くなったため,病院で精密検査を受けたところ,医薬品Aの副作用の結果であることが判明し,日本の病院で入通院を余儀なくされた。
(1) XはYに対し,入通院に要した費用等の損害賠償を求める訴えを日本の裁判所に提起した。日本の裁判所はこの訴えについて国際裁判管轄権を有するか。
(2) XのYに対する損害賠償請求に適用される法はいかなる国の法か。
2. 乙国に常居所を有するZは,医薬品Aを大量に購入し,それが医薬品として承認されていない国々の居住者に対しても販売している。Xは,インターネットを利用してZから医薬品Aを購入し,郵送によって受領した。Xが医薬品Aをしばらく服用したところ,その副作用のため健康を害し,日本において入通院を余儀なくされた。XのYに対する入通院に要した費用等の損害賠償請求に適用される法はいかなる国の法か。
出典:法務省「2007年司法試験論文式試験問題」。原本PDFから本文・表・図を抽出し、字下げ・下線・枠などの体裁を保ったまま、画面の幅に合わせて折り返しています。