2007年 司法試験 論文式 知的財産法 第1問
問題
配点 50点[知的財産法]
〔第1問〕(配点:50)
以下の事実関係を前提として,後記の設問に答えよ。
【事実関係】
(1) 甲は,平成12年7月,符号化データの蓄積・転送装置に関する発明(以下「本件発明」という。)の特許出願をし,平成14年1月にその特許出願につき出願公開がされた後,平成15年1月20日,本件発明について特許権の設定登録を受けた。
乙は,平成12年10月から,本件発明の技術的範囲に属する携帯電話βの製造販売を開始し,現在(平成19年5月16日)も,その製造販売を継続している。その間の平成14年2月,甲は,乙に対し,携帯電話βの製造販売につき,本件発明の内容を記載した警告書面を送付した。
(2) 乙による携帯電話βの製造販売については,次のような事情があった。
乙は,平成12年2月,知人のAから,符号化データの蓄積・転送装置の技術に関する論文(以下「本件論文」という。)のコピーを入手したことを契機に,本件論文記載の技術を用いて携帯電話の製造販売事業を行うことを企画した。
そして,乙は,本件発明の特許出願時までに,乙の工場内で試作品の携帯電話αを製造するとともに,携帯電話αを一部改良した携帯電話βの設計図面も作成していた。その後,携帯電話βについて,前記(1)のとおり製造販売が開始されたが,携帯電話αについては販売に至らなかった。
本件論文は,Aが,自己の研究の成果を記載して作成し,平成12年1月,Aを含む会員6名で構成される先端技術に関する私的研究会の席上で各会員に交付したものであった。
〔設 問〕
1. 甲の乙に対する訴訟上の請求として考えられるものについて論ぜよ。
2. 乙が甲の請求に対して主張することができる抗弁を検討し,その上で,甲の請求がいかなる範囲で認められるかについて論ぜよ。
出典:法務省「2007年司法試験論文式試験問題」。原本PDFから本文・表・図を抽出し、字下げ・下線・枠などの体裁を保ったまま、画面の幅に合わせて折り返しています。