司法試験論文式過去問演習

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2006年 司法試験 論文式 倒産法 第1問

問題

配点 50点

[倒 産 法]

〔第1問〕(配点:50)

甲建物を所有するA社から同建物を賃借しているBが,次のような事情の説明及び質問をしてきたとする。Bの説明の中の事実関係はすべて証拠によって証明できるものと仮定して,Bの1から4までの質問にどのように回答すべきか検討しなさい。

なお,回答に際しては,仮にA社について破産手続が開始された場合,A社にはある程度の財産があることから異時廃止になる見込みはなく,破産手続は7,8か月くらいで最後配当を経て終結するであろうことを前提としなさい。

【Bによる事情の説明】

私は,甲建物の2階全部を所有者であるA社から賃借していて,現在事務所として使っています。賃貸借期間は3年,賃料は毎月50万円で,敷金として300万円(賃料6か月分)を差し入れています。

賃貸借の開始からもうすぐ2年8か月が経過しますが,A社の債権者からの申立てに基づいて,間もなくA社について破産手続開始の決定がされるようです。約定期間の満了まであと約4か月ありますが,その残り4か月間は,私はまだ甲建物で仕事を続ける必要があります。ただ,賃料がほぼ同額でもう少し広い賃貸物件が見つかったので,約定期間が満了したら賃貸借契約は更新せずに,別の建物に事務所を移すつもりでいます。

私は,今まで賃料の支払を怠ったことはなく,A社が破産したとしても,A社の社長のCには昔から世話になっていることから,取りあえず残り4か月分も約定どおりに支払うつもりでいます。なお,敷金については,今後万一賃料の不払等があれば格別,そうでなければ控除の対象となる損害金等は現時点ではない旨をCに確認済みです。

【Bの質問】

1. A社の破産管財人がA社の破産を理由として私に甲建物からの即時の退去を求めることはできますか。

2. A社の破産手続開始の決定後も私が賃料を支払い続けることを前提にして,後で敷金相当額を幾らかでも回収する方法はないのでしょうか。

3. A社の破産手続において敷金返還請求権を行使しなければならないとして,その行使はどのようにすればよいのでしょうか。また,どのように支払を受けることができるのでしょうか。

4. Cによると,A社は再生手続開始の申立てをすることを検討中であるとのことです。仮にA社について再生手続が開始されても,私は賃料を支払い続けるつもりですが,この場合,敷金返還請求権をどのように行使することができるでしょうか。

出典:法務省「2006年司法試験論文式試験問題」。原本PDFから本文・表・図を抽出し、字下げ・下線・枠などの体裁を保ったまま、画面の幅に合わせて折り返しています。