司法試験論文式過去問演習

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2006年 司法試験 論文式 労働法 第2問

問題

配点 50点

〔第2問〕(配点:50)

以下の事案を読んで,X労組がY社に対してとり得る法的手段について論じなさい。

Z社は,Y社が製造する製品を梱包する仕事を同社から請け負い,自社が雇用する20名の社員をY社の工場において就労させている。Y社の工場は老朽化が進んでおり,特に梱包作業を行う場所は換気が十分でなく,また,賃金もY社の正社員と比べると格段に安かったため,Y社の工場で働くZ社の社員はかねてから不満を持っていた。そのため,Y社で働くZ社の社員であるAが,X労働組合(以下「X労組」という。)の役員であるBに相談したところ,X労組に加入すれば,X労組として改善に取り組むことが可能だとBが述べたため,AはX労組に加入するとともに,他の社員にも加入を働きかけた。この結果,Y社の工場で働くZ社の社員のうち,チームリーダーを除く19名がX労組に加入することとなった。なお,X労組は,近隣の様々な企業で働く労働者によって組織された労働組合である。

X労組がZ社に対し,Y社の工場における換気の改善と賃金引上げを求めて団体交渉を申し入れたところ,Z社はこれに応じ,換気の改善をY社に申し入れることを約束した。また,賃金引上げについても,Y社からの請負代金が増額されなければ実現が難しいので,Y社に対し請負代金の増額を求めると回答した。これに基づき,Z社はY社に対し,換気の改善と請負代金の増額を求めたが,Y社はこれを承諾せず,かえって,これ以上文句があるのであれば,Z社との請負契約の解除も考えると述べた。Z社は,Y社から融資を受けていることもあり,これ以上求めるのは無理と判断し,X労組に対してその事情を説明した。X労組はZ社と交渉しても成果を得られないと判断し,今度は,Y社に対して換気の改善と請負代金の増額を求めて団体交渉を申し入れた。これに対し,Y社は,X労組と交渉する義務はないとして団体交渉を拒否したが,Y社で労務を担当する総務課長Cは,問題が大きくなりはしないかと心配した。そこで,CはAに対し,Z社の社員がX労組を脱退しなければ,Z社との請負契約は解除されるだろうと述べた。なお,X労組は労働組合法第2条の要件を満たしている。

出典:法務省「2006年司法試験論文式試験問題」。原本PDFから本文・表・図を抽出し、字下げ・下線・枠などの体裁を保ったまま、画面の幅に合わせて折り返しています。