司法試験短答式過去問演習

過去問と解説で知識を確認

2026年 司法試験予備試験 一般教養

44問中20問選択(1問3点・60点満点)

第12問配点 3点

次の1から5までの各記述は、哲学者の著作からの引用とその解説である。引用に対する解説の内容として最も適切なものを、次の1から5までの中から選びなさい。(解答欄は、[№12])
1. (省略)ベーコンは、真に我々の知識を増やすのは、「感覚および個々的なもの」の絶えざる積み重ねによって一般命題を引き出す演繹法だと考えた。しかし、そもそものデータの把握に誤りがあると、いくらそれを積み重ねても真理に到達することができないため、ベーコンは、あらかじめ人間が陥りやすい先入観(イドラ)を取り除いておくことが必要であるとし、4つのイドラを提示した。
2. (省略)パスカルは、人間について、人間は一本の葦のように弱い存在であるが、「考える葦」であり、自らを考えることができることによって尊い存在であると主張する。たとえ宇宙に対しても、人間は思考を用いることでその存在原因を突き止め、自然を支配することが可能であり、時間と空間も自由に操ることができる。
3. (省略)ロックは、人間は生まれながらに理性的な存在であって、本来的には平和状態を保つことができると考える。しかし、万が一自らの所有が侵害された場合にはそれを裁くことができないため、自らの自由を権力者に全面的に譲渡することで、所有物を安全に確保できるとした。
4. (省略)フーコーは、「人間」は古来から存在しているが、18 世紀に全ての人間の自由と平等が明確に自覚されるようになったことで、初めて本来的な意味での「人間」になったと指摘する。しかし、科学技術の高度な発達によって、現代においてはこの「人間」の確かさが脅かされており、「人間の終焉」であると警鐘を鳴らした。
5. (省略)ロールズは、平等な社会のルールを作るためには、「無知のヴェール」によって自分が現在どのような地位を持っているのかが分からない状態を想定する必要があると主張する。この原初状態においては、自分がどのような地位にあるか分からないがゆえに、合理的な選択がなされ、条件付きで格差も許容される。
【出典】1.ベーコン『ノヴム・オルガヌム』桂寿一訳
2. パスカル『パンセ』前田陽一・由木康訳
3. ロック『統治論』宮川透訳
4. フーコー『言葉と物』渡辺一民・佐々木明訳
5. ロールズ『正義論』(改訂版)川本隆史・福間聡・神島裕子訳