司法試験短答式過去問演習

過去問と解説で知識を確認

2026年 司法試験 憲法

第5問配点 2点

酒類販売業の免許制が憲法第22条第1項に適合するか否かについて判示した最高裁判所の判決(最高裁判所平成4年12月15日第三小法廷判決、民集46巻9号2829頁)に関する次のアからオまでの各記述について、誤っているものの組合せを、後記1から5までの中から選びなさい。(解答欄は、[№9])
ア. この判決は、職業の自由に対する規制措置の憲法第22条第1項適合性については、一律に論じられず、具体的な規制措置の目的、必要性、内容、これによって制限される職業の自由の性質、内容及び制限の程度を検討し、これらを比較考量した上で慎重に判断すべきものであるとした。
イ. この判決は、酒類販売業の免許制について、沿革的には、酒税の国税全体に占める割合が高かった時代に、酒税の適正かつ確実な賦課徴収を図る目的で採用された制度であり、社会状況の変化と租税法体系の変遷に伴い、その割合等が相対的に低下するに至った処分当時においてもなおこれを存置しておく必要性及び合理性があったかは議論の余地があるとした。
ウ. この判決は、酒類販売業の免許制について、いわゆる警察的・消極的規制とも、社会・経済政策的な積極的規制とも異なるものであるとの理解を明示した上で、その運用の過程において、既存の酒類販売業者の権益の保護のために利用されたような場合には、立法目的を逸脱し、違憲となり得るものとした。
エ. この判決は、いかなる課税方式とするかは立法府の政策的、技術的な判断に委ねるべきであり、酒類製造者を納税義務者とし、酒類製造者を免許制の下に置くことは必要かつ合理的な措置といえるが、酒税の確保を図るため、酒類製造者がその販売代金を円滑に回収し得るよう、酒類販売業までを免許制にしなければならない理由は強くないとした。
オ. この判決は、租税法の定立につき、国家財政、社会経済、国民生活等の実態に関する正確な資料を基礎とする立法府の判断に委ねるほかなく、租税の適正かつ確実な賦課徴収を図るための職業の許可制は、必要性と合理性に関する立法府の判断が政策的、技術的な裁量の範囲を逸脱した著しく不合理なものでない限り、憲法第22条第1項に反しないとした。
1. ア イ2. ア オ3. イ ウ4. ウ エ5. エ オ