司法試験短答式過去問演習

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2026年 司法試験 刑法

第18問配点 4点

現住建造物等放火罪における建造物の一体性の判断基準について、各【見解】と各【事例】を前提として、アからオまでの各【記述】を検討し、正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は、アからオの順に[№26]から[№30])
【見 解】
A説:建造物の一体性を認めるためには、非現住部分と現住部分に、構造上の接続性及び延焼可能性の双方を必要とする物理的一体性、又は、使用上の一体性である機能的一体性のいずれかが存在すれば足りる。B説:建造物の一体性を認めるためには、非現住部分と現住部分に、構造上の接続性及び延焼可能性の双方を必要とする物理的一体性の存在が必要不可欠であり、使用上の一体性である機能的一体性は、物理的一体性が弱い場合に、それを補う限度で考慮される。
【事 例】
Ⅰ. 甲は、X裁判所の敷地内において、現住部分である宿直室とは構造上接続していない非現住部分である裁判所庁舎本館に夜間放火し、本館のみを焼損した。夜間、本館は無人であった。
Ⅱ. 甲は、非現住部分である本殿と現住部分である社務所が、木製の回廊で構造上接続しているY神社の本殿に夜間放火し、本殿部分のみを焼損した。夜間、本殿は無人であった。
Ⅲ. 甲は、非現住部分である研修棟と現住部分である宿泊棟が、防火扉付きの渡り廊下で構造上接続しているZ施設の研修棟に夜間放火し、研修棟部分のみを焼損した。夜間、研修棟は無人であった。
【記 述】
ア. 【事例】Ⅰで、裁判所庁舎本館と宿直室の機能的一体性が認められ、かつ、本館から宿直室への延焼可能性が認められた場合、A説及びB説のいずれの見解からも、甲に現住建造物等放火罪が成立し得る。[№26]
イ. 【事例】Ⅰで、裁判所庁舎本館と宿直室の機能的一体性が認められたが、本館から宿直室への延焼可能性が否定された場合、A説からは、甲に現住建造物等放火罪が成立し得るが、B説からは、甲に現住建造物等放火罪は成立し得ない。[№27]
ウ. 【事例】Ⅱで、本殿と社務所の機能的一体性が認められ、かつ、本殿から社務所への延焼可能性が認められた場合、A説及びB説のいずれの見解からも、甲に現住建造物等放火罪が成立し得る。[№28]
エ. 【事例】Ⅲで、研修棟と宿泊棟の機能的一体性が否定され、かつ、研修棟から宿泊棟への延焼可能性が否定された場合、A説からは、甲に現住建造物等放火罪が成立し得るが、B説からは、現住建造物等放火罪は成立し得ない。[№29]
オ. 【事例】Ⅲで、研修棟から宿泊棟への延焼可能性は完全には否定できないが、容易には延焼しない場合、研修棟と宿泊棟の機能的一体性が認められれば、A説及びB説のいずれの見解からも、甲に現住建造物等放火罪が成立し得る。[№30]