司法試験短答式過去問演習

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2015年 司法試験予備試験 一般教養

42問中20問選択(1問3点・60点満点)

第17問配点 3点

経済学では,主体間の相互作用をゲーム理論的な枠組みで捉えることがある。ゲーム理論では,各プレイヤーが取ることのできる行動をあらかじめ定義する。そして,それぞれの行動をどのようなときにどのようにして実行に移すのかを定めているのがプレイヤーの戦略である。実際に実行に移された行動がゲームの結果を決め,各プレイヤーの利得も確定する。単純な例として,2 人で 1 回だけじゃんけんをするという遊びをゲーム理論で解釈すれば,{グー,チョキ,パー}の 3 種類の行動(手)があり,それぞれの手を出す確率を定めたのが戦略である。その確率に基づいて 2 人が実際に出した手の組合せがゲームの結果であり,両者の利得もそこで決まる。利得は,ここでは,勝ち+1 ,あいこ 0 ,負け-1 とする。なお,このじゃんけんでは各プレイヤーの置かれる状況は対称だが,プレイヤーごとに行動の種類や利得が異なるゲームもある。ゲーム理論における重要な均衡概念の1つにナッシュ均衡がある。2 人以上のN人のプレイヤーが参加するゲームにおいて,どのプレイヤーの戦略も,他のN-1 人のプレイヤーの戦略を所与とした上で自分に最適なものになっているとき,その全員分の戦略をナッシュ均衡と呼ぶ。この場合,どのプレイヤーにも戦略をあえて変更する誘因がなく,それは「均衡」と呼ぶにふさわしい戦略の組合せである。このナッシュ均衡に関する次のAからDまでの各記述について,その正誤に関する記述として適切なものを,後記1から5までの中から選びなさい。(解答欄は,[№17])
A. {グー,チョキ,パー}のそれぞれを 3 分の 1 の確率で出すという戦略をXとしよう。上記の 2 人じゃんけんで両プレイヤーがともに戦略Xを取るとき,両プレイヤーの{戦略X,戦略X}はナッシュ均衡である。
B. 上記の 2 人じゃんけんの類型として,プレイヤー 1 の取り得る行動は{グー,チョキ,パー}だが,プレイヤー 2 のそれは{グー,チョキ}だけに限定されたじゃんけんを考えよう。このゲームにナッシュ均衡はある。
C. 「囚人のジレンマ」ゲームで,各プレイヤーは{Y,Z}のどちらかの行動を取ることができて,ナッシュ均衡では 2 人のプレイヤーがともに必ずZを取るものとしよう。両者がともにYを取ったときに得られる利得は,ナッシュ均衡で得られる利得よりも大きい。
D. 「最後通牒ゲーム」では,ある一定の金額について,先手が配分額を後手に提案し,後手はそれを承諾するか,拒否するかを決める。後手が拒否すれば,両者ともに配分額(利得)はゼロとなる。ナッシュ均衡であっても,後手の利得がゼロになることもある。
1. Aだけが誤りである。
2. Bだけが誤りである。
3. Cだけが誤りである。
4. Dだけが誤りである。
5. いずれも正しい。